クロノスを喰らうもの
Part.7
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「さて部屋に入ったよ。部屋の中には何があるかな?」
【休憩室】には表紙に青い犬が描かれた絵本と、『おやつ箱』と書かれたキャンディが詰め込まれたタッパーが備え付けてあります。床には子供たちの遊び道具であろうブロックが転がっています。
「絵本か。読もう」
古美門は読むんですね。他には誰が読みますか?
「ボクも読もうかな」
「私も読みます。あ、理人くんはどうしましょう」
んー……じゃあみんなが読んでいるということで一緒に見てしまった、ということにしましょう。
「……ん? 見てしまった、だと?」
「あ、これトラップだ。GM、やっぱりボクは遠慮して――」
却下。では絵本の内容を教えましょう。絵本には次のような物語が描かれていました。
むかしむかし、あるところに、おんなのこがいました。
おんなのこは、ちいさなむらで、くらしていました。
むらには、ぜったいになかをのぞきこんではいけない、ほうせきがありました。
でも、おんなのこは、きれいなほうせきをてにとり、なかをのぞきこんでしまいました。
ほうせきのなかには、たくさんのほしがキラキラとひかっていて、まるできれいなよぞらのようでした。
……でも、ほうせきのなかには、とてもとてもおそろしいかおをした、おいぬさんがいました。
たちまちあたりにあおいけむりがたちこめます。
おんなのこはきゅうにきもちがわるくなり、すわりこんでしまいました。
でも、のんびりすわってなんかいられません。
おんなのことめがあったおいぬさんは、ほうせきからとびだし、おんなのこをたべようとおいかけはじめたのです!
おそろしいおいぬさんはどこまでもおんなのこをおいかけます。
そう……どこまでも。
どこまでも、
どこまでもどこまでも、
どこまでもどこまでもどこまでも、
どこまでもどこまでもどこまでもどこまでも、
どこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも、
どこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも、
どこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも、
どこまでもどこまでもおんなのこをおいかけます。
おんなのこはとうとう、おそろしいおいぬさんにつかまり、
はらわたをくいちぎられ、なきさけびながら、しんでしまいました。
……以上、児童書にしか見えないその絵本から何か名状しがたい恐怖を感じてしまった皆さん、0/1D3の《SAN》チェックです。
古美門《SAN》61 → 30 成功
咲夜 《SAN》44 → 83 失敗
京楽 《SAN》51 → 31 成功
理人 《SAN》64 → 67 失敗
「私だけ失敗ですか(コロコロ)……2」
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