クロノスを喰らうもの
Part.4
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ねてしまっているのですから。
視線が滑る。半球を、それを接続する無数の棒の上を、探索者の視線がぐるぐると辿る。いや、知らず知らずのうちに辿らされていく。『それ』に関する知識が無くとも、あなたたちの魂が確信するであろう。
この図形は、決して理性の世界に生きる人間が触れてはならない、恐るべき禁忌であるということを……。
少女の語る【クロノス様】とやらを象ったその図形を目撃した古美門、京楽の両名は1D3/1D6の《SAN》チェックです。
「た、助かりました……」
古美門《SAN》63 → 27 成功
京楽 《SAN》53 → 51 成功
「(コロコロ)……1」
「(コロコロ)……1。2人とも最低値で済んでよかったねぇ」
そうですね。ではシーンを映して遊星くん、君のターンだ。どこを探索しますか?
「本棚があると言ったな。そこについて調べよう。だが俺は《図書館》を持っていない。《目星》で代用させてほしい」
いいでしょう。《目星》でどうぞ。
遊星 《目星》48 → 18 成功
本棚の中に並んでいる本の中に、特に特出すべき本はありません。しかし、遊星は並べられた本と本の間にきらりと光るものがあったのに気が付きました。それは……監視カメラでした。ちなみにまだその機能は生きていますね。
「は?」
「お、おい、これはマズいぞ! GM、俺はみんなにこのことを伝えて全力でこの場から離れ――」
却下。遊星が監視カメラを見つけた丁度そのころ、古美門と京楽が壁に刻まれた【クロノス様】を見た後でした。その時……突如、地下室内に設置されたアラートが鳴り響き、天井のランプが激しく赤く点滅する。
そして、部屋の奥に取り付けてあった小型スピーカーから女性の声が響きます。
「初めまして。そして、さようなら。見てはならないものを見たあなた方を、生かして地上に帰すわけにはいきません」
そう女が言うと、次に冒涜的な呪文を読み上げる声が聞こえる。その最中、弓香が「祟道先生」と小さくつぶやきますが、状況をどんどんと進んでいきます。そして、呪文によって奥の壁の謎めいた図形が発光する。壁を透過するようにしておぞましき、謎の生命体が這い出してくる。
暗闇の中で足を引きずりながらやってくるソレは、冒涜的なフォルムを有する怪物でした。
その姿は巨大で、黒々とした体躯の生物。猿に似ていましたが、どこか昆虫のようなところもある。体からは皮膚がだらしなく垂れ下がっており、退化した目の痕跡のあるシワだらけの頭部が、酔っているかのように不気味に右へ左へと揺れています。長く伸ばした前肢の手の平には、大きく広がった鉤爪が付いている。
顔には何の表情もありませんでしたが、異界的な錆のような臭いと共に、残忍凶
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