クロノスを喰らうもの
Part.4
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は地下の入り口で待機する」
わかりました。では古美門と咲夜、京楽の3人のシーンから行きましょう。
「牢屋の中に入れるかい?」
入れません。鉄格子越しに話しかけてください。
「じゃあボクから最初に話しかけるよ。やぁ、こんにちは。おじさんは刑事だ」
「次は私だ。私は探偵だ」
「最後に私です。そのメイドです。失礼ですがあなたのお名前は?」
「弓香……弓香っていうの」
「弓香ちゃんですか。どうしてこんなところに?」
「それは……私が『悪い子』だから……」
「どうして『悪い子』なんだい?」
「私……学校で勉強を教えてもらっていたの」
「学校というのは【クロノスの光】のことだな?」
「うん。……でも私は『悪い子』だったの。お勉強、あんまりできなかったし、【クロノス様】が怖くて怖くて、しょうがなかったから……。だからここでお仕置きを受けているの」
「【クロノス様】? なんだそいつは」
「この世の全てを知っている神様……って先生たちが言ってたよ。でも……私は怖かったの」
「怖かった? ということは、キミはその【クロノス様】とやらを見たのかい?」
「うん。でも【クロノス様】を見たらなんだか頭がおかしくなりそうになっちゃって……だから私、自分で目を潰したの。そうしたら楽になれたの……」
「……京楽警部、これは……」
「うん。奥多摩の山中で発見された子供も、その【クロノス様】とやらを見ちゃったんだろうねえ。更に麻薬の効果と合わさって錯乱状態になって……」
「自殺した、ということですか」
「刑事さん、探偵さん、メイドさん。奥の壁は見ない方がいいよ。見たら多分、頭がおかしくなっちゃうよ」
「……ということは、いるのかい? その【クロノス様】が」
「うん。いるよ……今は壁の中にいるけどね」
「……どうする?」
「私は見よう」
「私は見ません」
「そうかい。じゃあボクも見ておこう。この事件を解決するためには避けては通れなさそうだからねぇ。スマホの光を奥の壁に当てる」
(おやおや)では古美門と京楽が奥の壁に光を当てると、そこに描かれているものを見ることができました。
そこには謎めいた図形が描かれていました。
いくつもの半球体が長い円柱状の棒で連結されたその幾何学的な図形は、平坦な塊のようにも奥行きを持った立体のようにも見える。その図形を目の当たりにしたあなたたちは根源的な恐怖から咄嗟に目を逸らしたくなるような衝動に駆られますが、それは叶いません。
なぜならあなたたちは、図形が孕んだ何らかの冒涜的な魅力、あるいは呪術めいた引力を視線で捉え、平坦な図形の奥行きの最奥へと引きずり込まれような感覚に一時といえど身を委
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