クロノスを喰らうもの
Part.4
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て京楽に開示する」
「ボクも全部開示しよう」
わかりました。ではそれらの情報をPCは知った体でロールプレイを進めてください。特に《SAN》チェックや《アイデア》チェックはありません。
「なるほど、確かにその目の傷は異常だな」
「だろう? それにそちらの理子ちゃんとやらもまずいものに巻き込まれているみたいじゃないの」
「ええ。あんなに可愛い子なのに、酷いですよね……」
「……ロールプレイはここまででいいか。GM、周囲を見渡すぞ。俺たち以外に人影はいるか?」
はい、います。ここから少し遠いところにあるベンチに、更地を眺める初老の男性がいます。
「あ、居たんだね人。古美門くんたちが濃すぎて気付かなかったよ」
「おまえが言えたことじゃないがな」
「その人に話しかけよう。どんな状態だ? 《心理学》は必要か?」
必要ありません。ベンチに座っていた初老の男性は物憂げな表情です。雰囲気から悲しそうな感じがビンビン伝わってきます。
「ボクが話しかけよう」
「私もフォローに回ります」
「じゃあ残った我々は更地を探索するとしよう」
「わかった。じゃあ警察手帳を見せながら話しかけようかね。失礼、こういう者です」
「はぁ……警察の方でしたか」
「はい。少し、お話を聞かせてもらってもよろしいかな?」
「はい……」
「まず、あなたは?」
「私はここにあった学校の……【クロノスの光】の元代表です」
「おや……では祟道議員が代表になる前の……」
「はい……」
「自殺した児童について何か知っていることはありますか?」
「あの子ですか……。いい子でした。ですがあの女が来てからは……」
「あの女、とは祟道議員のことですか?」
「はい。あの女が来てから、【クロノスの光】は狂い始めてしまったのです」
「詳しく聞かせてくれますかねぇ」
「かつての【クロノスの光】は私と同じ、有志を持った人間が恵まれない子供たちのために勉強を教えるだけの、本当に小さな営利目的なんてない、いわば慈善団体のようなものだったのです」
「ええ。それは把握しています。とても素晴らしい教育をしていたとか」
「そう言っていただけると嬉しいです。……ですが祟道議員が団体に参加してからその方針が狂い始めてしまったのです。都議会議員が参加していただけることはこちらにとって大歓迎でした。私たちの活動を評価していただいて、日本のみならず世界中の子供たちに真っ当な教育を受けらさせられたらどんなに素晴らしいことか。そんな夢を見て、私たちは議員を迎え入れたのです。しかし……」
元代表の男は怒りと苦悶の表情を浮かべ、こぶしを握ります。ぶるぶると震えていることからそ
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