第34話:並行世界との別れ
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アルフォースブイドラモンがいた。
「天野ネネさんだね!帰る前に会えて良かった!君達に頼みたいことがあったんだ!確かにもうすぐ次元の道は閉じてしまうけど…何しろ騒動の種に困らないこのデジタルワールドだ。いつ新しい事件が起こって人間界にも影響が出ないとも限らないからね!そこで…もし人間界で新しくデジモンがらみの事件が起こった時のために…」
アルフォースブイドラモンの頼みにネネ達の表情は輝いた。
そして一方、タイキとキリハ達はクロスハートとブルーフレアを解散させ、誰よりも苦楽を共にしたパートナーと最後の別れを交わしていた。
「最後の命令だ。安い死に方だけはするな」
「無論よ!貴様こそ新しい戦場で半端な戦い方をするんじゃないぞ!」
拳を互いに突き出して軽くぶつけ合うキリハとグレイモン。
「キリハ…!お…俺は…俺はなあ…!!お前と肩を並べて戦えたことを……誇りに…!くっ…」
涙を流すメイルバードラモンの頭にポンと手を置くキリハ。
「お!行くのか?」
「うん…次元の道もそろそろ限界みたいだしな。」
「そっか…しっかり者のアカリがついてんだ。俺が心配することじゃねえが。ま、のらりくらりと頑張んな!」
「のらりくらりって…それが別れ際に言う台詞かよ!」
「男と男の別れなんざこんなモンよ!例え遠く離れてても俺達ぁ、ソウル・ブラザーだ。それで充分だぜ!!湿っぽくしても始まんねえ!!オラ行った行ったあ!!」
「わっとと…!」
軽く蹴られるタイキ。
周りをよく見るとキリハは既にいなくなっていた。
タイキは溜め息を吐きながら移動する。
「(何だよ、1年間一緒に戦ってきた相棒だろぉ?カラッとするにも程度ってもんが……いい王様になれるのかなぁ、あいつ…)」
次の瞬間、苦笑しながらタイキは足を止めた…いや、止められた。
「行くなよぉ…!」
タイキの服の裾を掴みながら号泣するシャウトモン。
「もっと…もっと一緒に冒険しようぜぇ…!!このデジタルワールドにゃあ…まだ見ぬ秘境が、手強い悪者が…!まだまだわんさか残ってる…!!この世界にいればお前さんは本物のヒーローなんだぜ!!?俺はっ!俺はずっとお前と一緒に…!!」
「シャウトモン」
泣き崩れるシャウトモンの肩に手を置きながら言葉を紡ぐタイキ。
「確かに俺達の世界で夢を追うって言うのは…デジタルワールドで冒険するような痛快で格好いいことばかりじゃなくて、どっちかって言うとコツコツ頑張ったり、じっと我慢しなきゃいけないことの方が多いかもしれない…けどさ…それでも俺、この胸のワクワクが放っとけないんだ…!!俺が本当に何を目指すのかまだ分からない。大輔やキリハみたいに明確な目標があるわけでもないし。」
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