第32話:絶望を希望に変えるために 中編
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要もあるまい。ここで諦めたとして、誰も君達の勇猛と献心を疑いはしない…」
「ぐっ…気遣いどうも…あんた…優しいな…優しいからデジタルワールドが汚れていくのを放っておけなくて…先に世界を消しちまおうと考えたのは…一応あんたの気持ち…分かるよ」
「けど、そんなあんたが、何で悪の親玉なんてやって不幸を撒き散らしてるんだ!?無闇な破壊はあんたの望む所じゃなかったはずだ…!」
大輔とタイキは傷だらけになりながらも、バグラモンに向かって言う。
「…悪には悪の拠り所があってはいけないのかね…?この世界においてデジモンは神は神、魔は魔、善は善、悪は悪として生まれ、死ぬまでその性質を変えることはない。悪に生まれた者は世界を呪うことを宿命づけられ、いつか必ず正義の名の下、全ての名誉を奪われて滅ぼされる…哀れな我が弟が…決して世界を愛せなかったように…!何故こんな不平等があるのか…?かつて大天使だった私は、何度もホメオスタシスにそのことを問うた…。だが、ホメオスタシスはその都度“見守るように”と答えるばかりだった…。業を煮やした私はこの世界の仕組み自体が間違っているのだと神に挑み…そして敗れた。雷に半身を焼かれ…純白だった翼も黒く焦げて散り…地上の辺境に墜ち、最早死を待つばかりだった私は…全くの偶然からそれを発見したのだ…!神のメインサーバ…情報樹イグドラシル…!!!」
「神のメインサーバ…情報樹イグドラシル…?」
初めて聞くその名に大輔は疑問符を浮かべた。
「かつて…その制御AIの極端な合理的思考から人間界をデジタルワールドに対する脅威として滅ぼそうとして急遽破棄されたシステム…ホメオスタシスはその時の教訓を踏まえて建造された穏やかで保守的な神なのだ…私はこの霊木の一部を切り出し、失われた半身に移植することによって命を長らえ…それと同時に莫大な力と知識を得た…!そして知ったのだ!!かつて…進化とは、デジモンにとってもっとありふれた出来事だったのだ。」
「…確か…マグナモンとテイルモンが言っていたな。このデジタルワールドには何時の間にか進化の概念が消えていたって…最後に進化したのはこの世界のブイモンがマグナモンに進化した時だって…」
「ほう…私以外にも進化の歴史を知る者がまだいたというのか…そのうちの1人がロイヤルナイツのマグナモン……君なら分かるのではないかね本宮大輔君?今のこの世界の異常さが…何故なら君は進化がありふれていた時代から来たのだからね。」
「正直…違和感を感じてばっかだったよ。デジモンは進化して強くなって成長するのが当たり前だと思っていたから…。生まれたらそのまんまなんて違和感しかなかった。マグナモンもテイルモンも最初は違和感しかなかったようだし…」
本人達はかつての冒険をあまり語ってはくれなかった
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