1st season
13th night
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の湾岸合流エリア。右コーナーを抜け、下りの直線でアクセルを踏み込む。その足にはいつも以上に力が入っていた。
「……ここまで踏んでもブレやがらねぇ……こっちはようやく慣れてきたってところなのによ」
咆哮を上げ、後輪を蹴飛ばすNSX−R。メンテナンスの際に聞いた男の話によれば、エンジンは前期のC30Aをベースに各部補強をし、ツインターボ化したとのこと。それに合わせて各パーツを補強し、今回ターゲットと指定した赤いFD3SとS15には十分勝ちうる所まで仕上げたという。
「……だが、こんなMonsterが作れるショップならもっと有名でもおかしくない。一体何者なんだ、あの男は……」
彼は疑問を胸に、雄叫びを上げるNSXーRを踏み込み、湾岸からレインボーブリッジ方面へと抜けていく。幾多の雰囲気組や中堅ドライバーなど、様々な走り屋を置き去りにしながら。
再び、「ガレージフェイト」。インテRの青年が語るには、身内のヤンチャなグループが車にのめり込んでいた時期があり、首都高サーキットにも解禁当初からいたという。
「その時にはもういたんだよな?お前さんの言うバケモンポルシェが」
「あぁ。確かカレラ4Sだったはずだ」
ポルシェ911カレラ4S。車格としては最高速チャレンジをするような車ではない。だがその当時の青年からすると、まるで鬼神のような速さだったという。
「明らかに違ったよ。今思えば、あれは本当に走り込んでいないと出せない雰囲気だった。臨戦態勢に入るまで、全く他の一般車と変わらなかったのに、入った途端に重圧が襲ってきた」
「ふーん……そんな奴がいるとはね。初バトルだったから緊張してた、とかじゃなくてか?」
「最初はそう思ったよ。だが今や私もそれなりに走って来たつもりだが、あのポルシェより重圧を感じたことはなかったな」
「それはまた」
その正体は、未だに青年自身でさえも掴めていない。それを探ることもまた、彼が走る目的なのかも知れない。話が一段落したところで、青年はタバコの火を消す。
「それでは、私はそろそろ行くとしようか」
「お、誰かと約束かい?」
「約束をしたわけではないが、売ったケンカをそのままにはしておけないだろう?」
「それは大事だ。で、誰に吹っ掛けた?」
青年は不死鳥に、一ヶ月前の「雷光の疾風」とのやり取りを話した。それを聞いた不死鳥は一瞬呆気にとられ、理解した途端に笑い出す。
「クハハハハハハッ!そうか、「奴」に吹っ掛けたか!」
「……知っていたのか?」
「最近やけに疾風さんが気合い入れまくっててよ、あちこちのドライバー食い散らかしてる噂をよく聞くなぁと思ったら、まさかお前さんのせいだったとはな!これが笑わずにいられるか」
不死鳥は肩を震わせなが
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