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ロキを愛する冒険者がいるのは間違っているだろうか
第二話ダンジョンの洗礼
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だけに力を注ぐ。
「不覚」
飛翔はミノタウロスの一撃から
逃れようとするが、額を蹴られた
衝撃が脳を揺らしたのか、体を上手く動かせない。

(これ‥までか‥‥)

止めを刺すために、攻撃が大振りになった僅かな隙をつかれてのあっという間の形勢逆転。
これがダンジョンの恐ろしさ、僅かな詰めの甘さが死に直結する。
だからこそギルドの職員は
冒険者に冒険をするなと、まるで
矛盾のような言葉をかけるのだ。
レベル2のステータスがあるのと
ダンジョン以外の外での百体以上の
モンスターを討伐していた経験が
あった飛翔はギルド職員にダンジョンについて質問等をしなかった。
まぁ一刻も早く金を稼ごうとはやっていたのもあったが、そんな一瞬の油断をダンジョンは見逃さなかった。
無論ミノタウロスの必死に生きようとする生への執着が火事場の馬鹿力がこの結果を呼び込んだ要因でもあるが。
初ダンジョンで、初の敗北を飛翔は
味わう。
その代価は自身の死。
飛翔はその代価を払うため、斧を
振るおうと待ち構えているミノタウロスの元に降っていく。
「ヴォォォォッ」
斧が届く範囲に飛翔が来たのを確認したミノタウロスは、勝利の雄叫びを放つ。
本体が殺られそうになっているのに、気づいた分身体が魔石やドロップアイテムをほっぽって、魔剣を
取り出そうとするが、ミノタウロスが一閃を振るう方が速い。
体を限界まで捻り両腕の筋肉を
膨張させるミノタウロス。
「本体??」
分身体が悲痛な叫びで飛翔を呼ぶが
飛翔は脳震盪を起こし朦朧としていて聞こえない。
よしんば聞こえたとしても、飛翔にはどうすることもできなかったが。

叫ぶ分身体は慌てて取り出した
魔剣を使おうとするが、その魔剣がビキッと再び嫌な音を鳴らす
先に亀裂が入っていた魔剣を慌てて取り出そうとしたため、ひびが更に入ったのだ。
分身体の手の中で魔剣は二つに割れてしまう。

「そんなっ」
分身体からはミノタウロスいる場所から数十メートル離れている。
魔剣を失った以上接近戦しかないが、今から駆けつけても間に合わない。
本体が殺られたら当然分身も消滅する。
分身体は呆然と飛翔の最期を見る事しか出来ない。
間もなく自分も消滅する。
最後の希望を失った分身体は眼を瞑り本体の最期の時を待つ。

「一掃せよ破邪の聖杖(いかずち)
【ディオ・テュルソス】??」

観念した分身体の耳に、透き通るような歌声が届く。
その歌声が聞こえるのと同時に
稲光が迸りミノタウロスの後頭部を直撃する。

「ゴォァッッ」
飛翔を殺すために全身全霊を
込めて集中していたミノタウロスは
その背後からの攻撃に気づかなかった。
斧を取り落とし、後頭部を両手で抑え呻き声をあげる。
ミノタ
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