暁 〜小説投稿サイト〜
ロキを愛する冒険者がいるのは間違っているだろうか
第二話ダンジョンの洗礼
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
、防御に使った鞘を両手で持ち
野球のバットを振るように凪ぎ
柄尻を叩いて更に刀を奥に突き入れる。

「ふんっふんっ」
まるで刀を杭として、打ち込むように鞘を柄に叩きつける。
片眼を失ったミノタウロスは、脳破壊を防ごうと、斧と腕をブンブン
振り回すが、片眼になった視界では、飛翔をとらえる事は出来ない。
攻撃を避けては、眼を抉る、抉る
という行動を何度も繰り返す。

(いけるデカイだけでこっちの動きにはついてこれてない)
後一、二度打ち込めば、後頭部に刃は貫けると飛翔は確信する。
激しい立ち回りをしているが、 今のところ他のモンスターの気配はない。
分身体はブルーオークの死体の
元に屈んで、喉に刺さっている脇差しを抜き取ろうとしている。

「これで終わりだ」
飛翔はとどめと後頭部まで、刃を
貫かせんと、鞘を振りかぶる。

「ヴォァァッ」

(ハウル無駄だ)
ミノタウロスのハウル。
レベル1の冒険者なら体が硬直してしまうのだろうが、レベル2の飛翔なら耐えられる。
ミノタウロスの悪あがきのハウルを凌いだ飛翔は体を伸び上がらせながら、片手打ちに鞘を振り払おうとした。
次の瞬間ドンッと大きな音が鳴る。
「何だ?」
どこかで崩落でもあったのかと、飛翔が考えている時、足元が揺れた。

「?!」
足元が揺れた事により、バランスを崩し鞘打ちが空振りする。
更に止めを刺そうとして、思いっきり力を込めていたため、体を支えきれず前のめりに転倒する。
転がりながら飛翔はミノタウロスの
左脚が深く地面にめり込んでいるのが眼に入る。
揺れの正体はミノタウロスが、地面を思いっきり踏みつけて振動を起こした事に気づく。

(ハウルと踏みつけの二段攻撃だと)

「がはっ」
転倒する飛翔に、地面の瓦礫などを蹴り飛ばすミノタウロスの礫攻撃が直撃する。

背中に礫が直撃した飛翔はそのまま
前回りに回転しながら壁に激突する。

「ぐはっ」 
壁に激突して頭から血を流しながら、飛翔は起き上がろうとするが
そこに走り込んできたミノタウロスがサッカーボールキックを放つ。
ブォーン
地面の瓦礫を蹴り飛ばしながら
サッカーボールキックが、当たる前にその礫で頬が切られ血が滴る。
背後が壁のため逃げ場のない飛翔は
そのサッカーボールキックをまともに受けてしまう。
一応人体で一番固い額で受けとめるがそんな事で軽減できるほど
猛牛の脚力は甘くない。

(片眼を失ったミノタウロスに
まだこんな力が)
空に打ち上げられた飛翔が見下ろすと地上には片眼のミノタウロスが
斧を振りかぶって待ち構えている。
突き刺さった刀を抜きもせず
もちろん手当てもせず、ミノタウロスは大きく斧を振りかぶって
ただ飛翔を殺すため
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ