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ロキを愛する冒険者がいるのは間違っているだろうか
第二話ダンジョンの洗礼
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ェポンの大きな斧を持ったミノタウロスが、眼を血走らせて飛翔の元に歩いてくる。
ヘルハウンドの火炎を廻し受けで
反らしたその炎の行く先は、後方で高みの見物を決めていたミノタウロスの胸だった。
飛翔は廻し受けするとき、一応狙っていたが、見事に決まるとは思ってなかった。
せいぜい目眩ましか、洞窟の破片でも飛ばして、嫌がらせ程度になれば
としかけた廻し受けが幸をそうした
事になる。

「分身お前は下がっていろ、
レベル1のお前では、ハウルに
耐えられない」

「判りました。
魔剣での援護はどうしましょうか?」

分身体が後方に下がりながら、するべき事を確認する。

「いやそれより、魔石とか脇差などの回収を頼む」

「では援護は必要ないと」

「ああ」

飛翔はヘルハウンドを投擲で仕留めた後に、ブルーオークの死体から抜き取って回収していた。愛刀山嵐を
中段に構える。
全長80センチ、刃はすべて極東の
オリハルコンである、ヒヒイロカネ
製、また鞘も戦闘でも使えるようにとアダマンタイトで作られている。
間違いなく第一級品の武装で
脇差である嵐山は鞘こそアダマンタイト製ではないが、刃はヒヒイロカネが使われている。
その最高級の武器を持って、飛翔は猛牛に挑む。
 
「ブォォー??」
ミノタウロスがハウルを放ちながら、近づいてくる。
後方に控える分身体は、辛そうな顔をするが、飛翔はハウルに耐える。

「ヴォォーッ」
ハウルが効かなかったミノタウロスが、一気に距離を詰めて斧を振りかぶる。
片手一本で斧を頭上高く振り上げれるのは、圧倒的膂力の証。
ミノタウロスはその力を持って
冒険者を薙ぎ倒そうと、斧を振るう。
猛牛の振り下ろされた、斧が生み出す風が飛翔の髪を何本か散らし
頬に風圧が当たる。
飛翔はその斧撃を僅か数センチで
かわす。
「たぁっ」
飛翔はかわしざま、左に跳び込み
ミノタウロスの脇腹を斬りつける。
鮮血が飛翔の顔を朱に染めるが、
飛翔の攻撃はこれで終わりではない。
「ヴォー」
血を流しながらミノタウロスが、
斧を持ってない方の腕でバックハンドブローを振るう。
剛腕が飛翔の顔面目掛けて振り回されるが、冷静に鞘を抜き取りその肘を突いて止める。
ミノタウロスの裏拳を受けた反動で
地面に足がめり込み腕が痺れる。

(重いっ)
飛翔はミノタウロスの膂力に驚嘆する。

「グゥゥゥ」
裏拳を防がれ肘を突かれミノタウロスの骨にヒビが入る。

「しっ」 
ミノタウロスの呻き声を聞きながら、痺れていない方の腕で、飛翔は
ミノタウロスの眼を突く。
ヒヒイロカネ製の名刀は使い手の
願いに応え強靭なミノタウロスの
眼を抉る。
グサッと刺さった刀の柄から手を離し
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