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ロキを愛する冒険者がいるのは間違っているだろうか
第二話ダンジョンの洗礼
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頭目掛けて振り下ろされた。


「ギャンッ」

これで三体目。
氷柱に眼から頭蓋を貫かれた
一体のヘルハウンドが息絶える。
本体がブルーオークと戦っている間
分身体は、魔剣での遠距離狙撃で
確実にヘルハウンドを駆逐していた。
安物の魔剣だが、掘り出し物なのか
氷の魔力を込められた短剣型の魔剣は壊れる事なく、その力を遺憾なく発揮している。
「さて残りは後2体か」
背や腰に大荷物を背負っているため
接近戦がしにくい分身体は
魔剣での攻撃を繰り返す。
魔剣の切っ先から放たれた 
三本の氷柱が生き残ったヘルハウンドを攻撃する。
三本の氷柱のうち一本はヘルハウンドの喉を貫き、残りの二本は
最後に生き残ったヘルハウンドの
腹と後ろ足に突き刺さる。
「ギャン」
「グフーッ」
断末魔の悲鳴を上げヘルハウンドは
地面にうつ伏せに倒れる。

「ふう」
ヘルハウンドが倒れたのを
確認した分身体はほっと息をつく。
重い荷物を担いでの戦闘は
やりにくかったが、何とか魔剣の
おかげで本体の命令である
ヘルハウンドの排除は達成できた。
ビキッ
突如手に持っている魔剣が
鈍い音を奏でる。
「まだ砕けてはいないが、長くは持たないな」
分身体はヒビの走り具合と、自分の使い方を思いだし、残りよくて二回下手したら一回ぐらいしか使えない
だろうと判断する。
後残り回数が少ない魔剣を仕舞おうと分身体が鞄の口を開けたとき
その視界に信じられないものを
見て分身体は絶句する。

「ガウゥ……ゥゥ」
仕留めたはずのヘルハウンドが
氷柱が刺さったままの脚を引こずって、立ち上がっていた。

魔剣がひび割れた事に気を取られた分身体はヘルハウンドにまだ息があることに気づけなかった。

「しまった!」

片付けた魔剣を取り出して、氷柱を
ぶつけようと魔剣の切っ先をヘルハウンドに向けようと手を動かすが
先にヘルハウンドが火炎攻撃をする方が早い。

脚をぷるぷると震わせながらも
ヘルハウンドは口内に炎を溜めて
吐き出す。
ゴオッ
放たれた火炎は分身体ではなく
ブルーオークと戦っている本体の方に一直線に飛んでいく。

「本体ー??」
分身体は魔剣でヘルハウンドを
仕留める事を忘れ、思わず
叫んだ。

「くっ」
ブルーオークが棍棒を振り下ろすのを視界にいれながら、飛翔は
洞窟内に木霊する轟音で火炎が
自らに迫るのに気づく。

「仕留めそこなかったか」

棍棒と火炎の二つの攻撃を、見ながら、飛翔は悪態をつく。

(いやいくら自身の分身とはいえ
レベル1で、ヘルハウンド五匹はきつかったか)

飛翔は己の作戦ミスを反省する。
牛や豚は後回しにして、先に駄犬を仕留め
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