十九 開演のブザーが鳴る
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めた今、チヨの死は免れない定めである。
それなのに、我愛羅を生き返らせたチヨは死なずに済んだ。
以上から考えられるのは、ナルのチャクラによる恩恵が大きかったのか、それとも──。
(仮死状態だった…?)
一瞬浮かんだ疑念は、ナルの嬉しそうな笑顔によって消え失せる。
ヒナタがこちらに駆け寄ってきたのを見て、いのは自分の考えを頭から追い出すと、歓喜に打ち震える皆の許へ走ってゆく。
微笑ましげにその光景を眺めていたカカシは、ふと、誰かに見られているような気がして、森へ一瞬視線を向けた。
変わらない静まり返った森を暫し眺めて、気のせいか、とカカシは再び、我愛羅を中心に喜ぶ人々へ視線を戻す。
「我愛羅!!」
「ナル…!うわっ」
「よかった…!ほんっとうによかったってばよ〜!!」
ナルに飛びつかれ、顔を真っ赤にした我愛羅が、嬉し泣きをする彼女に眼を白黒させている。
弟の恋心を知っているテマリがにやにやと笑っていると、カンクロウが「病み上がりなんだから急に危ないじゃん」と水を差すような言葉を投げ掛けた。
「無粋なこと言うんじゃないよ」
「…?なにがじゃん?」
溜息をつくテマリに、カンクロウがきょとんとする。弟の恋心に微塵も気づけてない弟に、テマリは「それだからアンタはモテないんだよ」と呆れ返った顔をした。
「急になんで蔑まされないといけないんじゃん!!??」
喚くカンクロウをよそに、弟の恋を応援する為、風影目的で近づくくノ一達を近づけまいとして、テマリは我愛羅とナルの前に立ちはだかるのだった。
生きている我愛羅と、生きているチヨと。
たくさんの人々で賑わう草原を、遥か遠くから見ていた彼は、指先に寄ってきた白い蝶に「ご苦労様」と息を吹きかける。
たちまち、ただの白い花の花弁に戻った、かつての蝶は優雅に風に乗ってヒラヒラと飛んでゆく。
「これも、お前のシナリオ通りか?」
「どうだろうね?」
傍らの桃地再不斬に曖昧な言葉を返して、ナルトは今し方我愛羅の許へ駆け寄ったヒナタを見やった。
サソリの部下の由良は、彼女の足止めに大いに役立ってくれたらしい。
爆死したのは計算外だったが、彼のおかげで我愛羅を【白眼】で視られずに済んだと、ナルトは亡き由良に祈りを捧げた。
両腕を失って苦戦するデイダラの許へ、サソリの部下の由良を向かわせたのはナルトである。
サソリに化けて、デイダラを逃す手助けをしろ、と命じたのだ。
サソリからの指示を待ち望んでいた由良は微
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