十九 開演のブザーが鳴る
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、サソリは「やっかましい!!」と怒鳴った。
「なんでせめて毒で死ななかったんだ、アイツは!」
どうやら部下の死よりも、死因について腹を立てているサソリに、デイダラは「いや、忍者の遺体は色々調べられるから、跡形もなく消えるほうを選んだほうが得策だと思うぜ、うん」と至極もっともな答えを返す。
正論だと理解しつつも、サソリは苛立たしげに吐き捨てた。
「お前のモットーと同じのが余計嫌なんだよ!」
「旦那、ひっでぇ〜!!」
芸術コンビの諍いは、テマリとカンクロウの部下である砂隠れの里の忍び達が現場検証をしに来るまで続いたのだった。
我愛羅の周りが一斉に騒がしくなる。
沈んだ空気が払拭され、瞬く間に明るくなった。
だが、いのだけは、横たわったチヨを抱きかかえ、眼を伏せている。
カンクロウと共に来たチヨの弟であり、砂隠れの里の相談役であるエビゾウは、姉の顔を覗き込んだ。
今にも起き上がって、いつものように自分をからかいそうな安らかな顔に、立派な白眉を悲しげに下げた。
力無く、いのの身体に身を横たわらせるチヨを見つめつつ「今にも笑いだしそうなそんな顔をしておる」としみじみ呟く。
いのの瞳から涙が零れ堕ちた瞬間、腕の中の存在が身じろいだ。
「なぁーんてな、死んだふり〜!」
やーいひっかかったひっかかった、とばかりに、お茶目という言葉では聊か限度があるボケをかましたチヨに、周囲の人間達がギョッとする。
エビゾウが腰を抜かす横で、涙が引っ込んだいのが信じられないとばかりに、楽しげに笑うチヨを見た。
「ち…チヨ婆さま……?」
周りの反応に満足げに、あひゃひゃひゃ、と笑ったチヨは、暫くしてから、いのに顔を向けた。
「普通は死ぬはずなんじゃが、まだ生きとるのぉ」と茶目っ気たっぷりにウインクするチヨに、彼女を慕う砂隠れの里のくノ一達が「よかった、チヨ婆さま〜」と抱きついた。
「こんな老いぼれでも、まだまだ生きてる価値があるのかのぉ」と不思議そうにしつつも笑顔を浮かべるチヨを前に、いのは涙を拭う。
よかった、と心からホッとすると同時に疑問を抱いて、我愛羅へ視線を向けた。
(…ということは、我愛羅くんは死んでいなかった……?)
術者の死と引き換えに、死者を生き返らせる禁術。
ただの医療忍術ではない、転生忍術は、術行使後に術者が死亡する可能性が非常に高い。
【己生転生】も例外ではなかった。
たとえ、ナルのチャクラを借りようとも、死者に命を吹き込めば術者は必ず死に至る。
我愛羅が目覚
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