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憑依先が朱菜ちゃんだった件
第16話
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ーク》に戦争賠償ができる蓄えが無いのも事実」
「……リムル様、賠償ができない云々は建前なのでは?」
「………朱菜の洞察力には脱帽だな。朱菜の言う通り、豚頭族(オーク)が賠償できない云々の話は建前だ」
「では、本音を仰って下さい」
「いや、本音を話しても受け入れられるとは―――」
「弱肉強食。それこそが全ての魔物に共通する唯一不変の規則(ルール)。この度の戦で敵将である豚頭帝(オークロード)を討ち取り、戦いを終結させたのはリムル様です。
そのリムル様の決定に異論を挟むなど、恥知らずにも程があります。もし、この場で異論を挟む者がいるなら……」


私はそこまでで言って口を閉ざすと、『神仙覇気』でこの場に居る者を威圧します。リムル様の決定に異を唱えるなど星王竜が許しても私が許しません。

……あっ、『神仙覇気』の出力を間違ったでしょうか?私の立っている地面が『神仙覇気』の影響で罅割れ、周囲を舞っていた木の葉が弾け始めます。

木の葉が弾けるこの光景は、昔の剣劇アニメで見たことありますね。確か、超一流の剣客が放つ裂帛の気合い―――剣気だったでしょうか?

まさか、『神仙覇気』でそれを再現できるとは思いもしませんでした。ちなみに剣気もどきな『神仙覇気』に中てられた子鬼族(ゴブリン)は気絶。蜥蜴人族(リザードマン)豚頭族(オーク)、森の管理者であるトレイニー様は冷や汗を流しています。


「朱菜。俺はこの会議に参加している全員を対等な立場だと思って話をしているんだ。技能(スキル)を使って威圧する様な行為は止めてくれ」
「畏まりました、リムル様。差し出がましい真似をして申し訳ありません」
「ああ。……さてと、一体どこまで話したっけ?」
「……あー、豚頭族(オーク)が戦争賠償をできぬ云々の話がリムル様にとって建前という話までされていたな」
「ああ、そうだった。ありがとう、首領。で、本音を話さないといけなかったんだよな。俺は豚頭魔王(オークディザスター)と捕食対決をした時、精神世界って言えばいいのか?取り敢えず、そんな感じの所で奴の記憶を見て、会話もしたんだ」
「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」
「ゲルドは豚頭族(オーク)の王として20万の同胞を飢えから救う為、他種族を喰らうという選択肢しか取れない立場だった。また他種族を喰らった罪を自分一人で背負う覚悟をし、退くに退けない状態になっていた。
死の間際まで同胞の未来を案じていた者を喰らい尽くした俺には、その同胞―――豚頭族(オーク)の罪と喰らったゲルド自身の罪を引き受ける義務がある。
豚頭族(オーク)を許してやれとは言わない。だが、豚頭族(オーク)に対して殺意や怨恨といった負の感情を向けるのは止めてくれ。豚頭族(オーク)の罪を喰らった
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