機動戦士ガンダム
2282話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
月に真っ直ぐ向かうコースではなく、大きく遠回りして月に行くというのも、決して間違っている訳ではない。
もっとも、それは俺達にとっては安全ではあるが、少しでも早くMSの実戦データ等を必要とする連邦軍にとっては、面白くない事だろうが。
ちなみに、当然の話だったがルナツーにおいて連邦軍との通信は殆ど出来なかったらしい。
ブライトが中尉という階級を貰ったのだから、全く通信出来なかった訳ではないのだろうが……まぁ、これはダグラス達によって、ホワイトベースを月に向かわせる為の仕込みなのだろう。
それに、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク……正確には、それらのコックピットとなるコアファイターには、学習コンピュータが搭載されている。
そこにあるデータを連邦軍に渡すという事は、アムロや……そして場合によっては俺の戦闘データの類も連邦軍に渡る事になる。
もっとも、ガンキャノン程度では俺の能力を最大限に活かすといった真似は出来ないし、もしやったとしても、その場合はMSパイロットが死ぬ可能性が高い。
何しろ、俺は混沌精霊だ。
それこそ、普通のパイロットなら死んでもおかしくないようなGを普通に受けているし、感じている。
だからこそ、もし俺の戦闘データを使ったりした場合、MSパイロットはミンチ肉になってもおかしくはない。
「そうね。カイの言う事も分かるわ。けど……イザークさんはどう思います?」
「そこで俺に聞くのか?」
メリルの言葉に、呆れ交じりに返す。
実際、今の話を聞いていたカイは、俺に嫉妬の視線を向けていたのだから。
どうやら、カイはまだメリルの事を諦めてはいないらしい。
まぁ、メリルの美貌を考えれば、それも無理はないのかもれないが。
アムロもそうだし、何だかんだとメリルはモテるな。
そのうち、ホワイトベースに乗っている男の殆どを魅了するんじゃないか?
どうしました? といった視線を向けてくるメリルに、溜息を吐いてから口を開く。
「そうだな。カイの意見もそんなに悪いものじゃない。実際に食料や水の心配はいらないんだから。……けど、それでも俺は出来るだけ早く月に向かった方がいいと思う」
「へぇ、なんでそう思うんだい? まさか、出来るだけ早く故郷に帰りたいからって事じゃないよな?」
「それもないとは言わないけどな。……純粋に、避難民が精神的に参ってくる可能性があるからだよ。それに疲れの問題も馬鹿にならない。知ってるだろ? 俺達は一応部屋を与えられてるけど、避難民の殆どは通路で眠っているんだ。幾ら食料や水が十分にあるからって、精神的な疲れまではどうしようもない」
軍艦の中。それも、赤い彗星のシャアにいつ襲撃されるかもしれないというプレッシャーは、直接戦闘に関わる者だけではなく、そちらに関わりのな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ