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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第74話
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将からもたらされたエレボニア政府の非情な判断にユウナは信じられない表情をし、アッシュが鼻を鳴らして皮肉を口にした後目を伏せて考え込んでいたゲルドは目を見開いてウォレス准将にある質問をした。

「あら…………」

「ほう…………それを答える前に何故ここでクロスベル帝国が出てきたのか、訊ねても構わないか?」
ゲルドの質問にミュゼは目を丸くし、ウォレス准将は興味ありげな表情でゲルドを見つめて訊ねた。
「トールズ第U分校の授業で習った事もそうだけど、私がお義父さん達に引き取られた時にお義父さん達の故郷――――メンフィル帝国やメンフィル帝国とエレボニア帝国を含めた西ゼムリア大陸の国家間の関係や事情を一通り教えてもらったけど………確か、2年前に起こったメンフィル帝国とエレボニア帝国の戦争――――”七日戦役”は”猟兵”が関係していたのよね?その”七日戦役”の原因の一つは”猟兵”だったのだから、もしその姿を消した猟兵達がフォートガードと隣り合っているクロスベルの領土―――オルディス?だったかしら。そこで暴れたりしたら、”七日戦役”みたいに今度はエレボニアとクロスベルによる戦争が起こるかもしれないから、戦争を起こさない為にもクロスベル帝国に予め事情を説明して協力はしないのかなっと思ったの。」

「い、言われてみればそうよね…………?」

「はい。ましてやオルディスの統治者であるユーディット皇妃陛下は”七日戦役”時、オルディスがメンフィル帝国軍に占領された後、妹のキュアさんと共にカイエン公爵家を乗っ取ってメンフィル帝国に従順な態度を取った事もそうですが、エレボニアにとっては憎悪の対象の一人であり、また”血統主義”のエレボニア貴族達にとっても許容しがたい存在――――平民から皇帝へと成りあがったヴァイスハイト皇帝陛下の側妃の一人として嫁ぎ、今ではラマール州を掌握している事からエレボニア政府にもそうですが、エレボニア貴族達からも憎まれている存在であるとご自身も仰っていましたから、もしオルディスで猟兵達による事件が起こればクロスベルは”七日戦役”のようにエレボニアの関与を疑う可能性は十分に考えられますね。」
ゲルドの推測を聞いたユウナは不安そうな表情をし、アルティナは静かな表情で答えた。
「フフ、そこに気づくとはさすがは”旧Z組”を受け継ぎし新たなる”Z組”といった所か。――――そちらの懸念通り、本来ならばオルディスの統治者であるユーディット嬢―――いや、ユーディット皇妃陛下とも協力すべきなのだが、生憎バラッド侯の横槍が入っている為、我々統合地方軍はオルディスとは協力体制を組むことはできない。」

「そこでバラッド侯が…………その、統括地方軍とオルディスが協力体制を取れないようにバラッド侯が横槍を入れたのは、もしかしてバラッド侯も他の一部のエレボニ
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