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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第百六十六話
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のに十分な程だ。
『千冬、フォールドリング使う用意しといて』
コアNo.001の人格アリスが千冬に語りかけた。
『そこまでか?』
『何か嫌な予感がする』
『……わかった』
千冬が胸元に手を入れ、ネックレスを取り出す。
首の後ろの止め金を外し、通していたリングを抜く。
「………一夏」
「教官? その指輪は…?」
「ん? これか?」
千冬がラウラの目の高さに指輪を持っていく。
「これはな、私の弟がくれた物だ」
「教官の弟…イチカ、ですか?」
「ああ。自慢の弟だよ。私より強いしな」
千冬は嬉しそうに笑いながら、その指輪を左の薬指に嵌めた。
その恋する乙女のような微笑みはとても美しい。
強く厳しく逞しい千冬が見せた、見た目不相応な表情。
クラリッサはその意外な一面をみて、千冬も自分たちと同じ年頃の女性だと悟った。
そしてラウラは、心をざわつかせた。
自分が信じていた物とは違う、普通の女のような千冬の顔に、僅かな失望を覚えた。
だがラウラはそれを自覚するには幼すぎた。
軍での経験しかないのだ。
「ふふ…」
「っ!」
「さて、では行こうか」
二人がヤヴォール! と続く。
山狩りを初めて20分ほどが経った。
千冬に対し通信が入った。
『こちら第二小隊。住民を保護しました』
「住民だと?」
『はい。例の狼に襲われたそうです』
「プロフィールは?」
『ヨセフと名乗っています。職業は樵。
加えて猟銃で武装しています。自衛の為だそうです』
「ふむ………では一度合流しよう。お前たちは動くな。今から向かう」
『ヤー』
ピッと端末をスリープモードにして、千冬が二人を見る。
「聞いた通りだ。合流するぞ」
千冬と連絡があった第二班とは一番遠く、最後に合流する事となった。
「それで、その樵のヨセフというのは?」
「はっ、こちらです」
シュヴァルツェアハーゼの隊員が案内した先にいた者はフードを被ったぼろぼろの格好をしていた。
ヨセフが、そのフードを取る。
「あはっ…ついてるな」
千冬は、その顔に覚えがあった。
「っ!? 総員! 奴から離れろ!」
千冬が腰に差した刀で居合一閃。
ヨセフは大きく飛び上がり、後ずさった。
ボトリ、とヨセフの左腕が落ちる。
「教官!?」
「総員撤退! 奴は普通じゃない! “人間じゃない"んだ!」
突然民間人に斬りかかった千冬に、シュヴァルツェアハーゼが目を見開く。
「いいのかいブリュンヒルデ? 大好きな部下に嫌われちゃうよ?」
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