暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第百六十六話
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のに十分な程だ。

『千冬、フォールドリング使う用意しといて』

コアNo.001の人格アリスが千冬に語りかけた。

『そこまでか?』

『何か嫌な予感がする』

『……わかった』

千冬が胸元に手を入れ、ネックレスを取り出す。

首の後ろの止め金を外し、通していたリングを抜く。

「………一夏」

「教官? その指輪は…?」

「ん? これか?」

千冬がラウラの目の高さに指輪を持っていく。

「これはな、私の弟がくれた物だ」

「教官の弟…イチカ、ですか?」

「ああ。自慢の弟だよ。私より強いしな」

千冬は嬉しそうに笑いながら、その指輪を左の薬指に嵌めた。

その恋する乙女のような微笑みはとても美しい。

強く厳しく逞しい千冬が見せた、見た目不相応な表情。

クラリッサはその意外な一面をみて、千冬も自分たちと同じ年頃の女性だと悟った。

そしてラウラは、心をざわつかせた。

自分が信じていた物とは違う、普通の女のような千冬の顔に、僅かな失望を覚えた。

だがラウラはそれを自覚するには幼すぎた。

軍での経験しかないのだ。

「ふふ…」

「っ!」

「さて、では行こうか」

二人がヤヴォール! と続く。








山狩りを初めて20分ほどが経った。

千冬に対し通信が入った。

『こちら第二小隊。住民を保護しました』

「住民だと?」

『はい。例の狼に襲われたそうです』

「プロフィールは?」

『ヨセフと名乗っています。職業は樵。
加えて猟銃で武装しています。自衛の為だそうです』

「ふむ………では一度合流しよう。お前たちは動くな。今から向かう」

『ヤー』

ピッと端末をスリープモードにして、千冬が二人を見る。

「聞いた通りだ。合流するぞ」


千冬と連絡があった第二班とは一番遠く、最後に合流する事となった。

「それで、その樵のヨセフというのは?」

「はっ、こちらです」

シュヴァルツェアハーゼの隊員が案内した先にいた者はフードを被ったぼろぼろの格好をしていた。

ヨセフが、そのフードを取る。

「あはっ…ついてるな」

千冬は、その顔に覚えがあった。

「っ!? 総員! 奴から離れろ!」

千冬が腰に差した刀で居合一閃。

ヨセフは大きく飛び上がり、後ずさった。

ボトリ、とヨセフの左腕が落ちる。

「教官!?」

「総員撤退! 奴は普通じゃない! “人間じゃない"んだ!」

突然民間人に斬りかかった千冬に、シュヴァルツェアハーゼが目を見開く。

「いいのかいブリュンヒルデ? 大好きな部下に嫌われちゃうよ?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ