第五章
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「決してだがや」
「ではな」
「それではだぎゃな」
「私の落語を聞いてもらう」
「結構上手だったぎゃ」
「そうか」
「芥川が聞いてもそう言うだがや」
落研にいる彼もというのだ。
「絶対にそうなるだがや」
「落語は奥が深い」
室生は水風呂の中でサウナで熱された自分の身体が急激に冷やされていく感覚を楽しみつつ坂口に答えた。
「多くの話がありだ」
「その一つ一つがだぎゃな」
「世界がある、それ故にだ」
「話していてもだぎゃな」
「面白いし難しくだ」
「奥が深いだぎゃな」
「恐ろしい世界だ」
室生はこうも言った。
「いつも聞いていて思う」
「そうだがや」
「だから上手く話せているのならな」
「それならだがや」
「私も有り難い、大学ではな」
「落研に入るだぎゃ」
「そうも考えている」
こう話してだった、そのうえで。
二人でまたサウナに入りそこから水風呂に戻り後は湯舟を楽しんだ。最後に身体もしっかりと洗って髪の毛もそうして。
夕食の刺身や焼き魚を居酒屋で食べて日本酒も飲みつつだ、彼は坂口に対して今度はこんなことを言った。
「一週間だな」
「その間でだぎゃ」
「あの娘は明るくなっている」
「一週間で済むだがや」
「済む」
一言でだ、室生は言い切った。
「だからだ」
「その間はだぎゃな」
「夜はこうして飲んでだ」
「風呂も楽しんでぎゃな」
「昼はあの時間にあの娘と話すが」
「何か時間がたっぷりあるだがや」
「その間は鍛錬でもするか。モンスターが出れば戦う」
大間のこの辺りに出ればというのだ。
「そうしていってだ」
「一週間過ごすだぎゃな」
「そうする、あと忘れてならないことがある」
「それは何だがや」
「陸奥にいるのだ」
だからだとだ、飲みつつも無表情で言う室生だった。
「津軽にな」
「津軽っていったら太宰治さんとだがや」
この世界では日本の小説の神の一柱になっている、他にも多くの文豪達が神になっている。その代表が夏目漱石だ。
「林檎だぎゃ」
「その林檎だ」
「林檎も忘れずにだぎゃな」
「食べることだ、いいな」
「そういえば昨日は食べてないだがや」
「だがここにいる間はな」
陸奥、それも津軽であるこの地にというのだ。
「一日一個は必ずな」
「食っていくだぎゃな」
「林檎は医者いらずともいう」
栄養があまりにも多く一日一個食べていると健康になるからである、このことはトマトも同じ様なことが言われている。
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