第三章
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「それを話していく」
「何でそこで落語だがや」
「やがてわかる」
こう言って今は言わない室生だった、そして語るのは落語で。
無表情のままウメに話す、数話を話した後で彼女に言った。
「明日だ」
「明日ですか」
「明日また話す」
「あの、今は」
「いや、明日だ」
今日は言わないと言う返事だった。
「明日にする」
「では」
「明日またここに来る」
室生はウメに淡々とした口調で述べた。
「そうする」
「そうですか」
「それまで待っていろ」
「わかりました」
ウメは室生に答えた、そのうえで坂口に促し体質した。そしてだった。
二人で夕食を食べに行った、その前に風呂に入ったがサウナ室の中で坂口は室生に対して言った。二人共木造の部屋の中で腰布一枚になっている。
「わかっただがや」
「君がわからない筈がないな」
「アラビアンナイトだがや」
それだとだ、室生に言った。
「それだがや」
「そうだ、あの話でいく」
室生は坂口に前を向いたまま答えた。
「今回はな」
「そうだぎゃな」
「あの話の王は夜な夜な美女を殺していた」
「王妃さんの浮気の後でだぎゃな」
「王妃を殺した後でな」
勿論浮気相手の奴隷達も共に淫らな宴を楽しんでいた女奴隷達もだ。
「そうしていた。だがな」
「あの娘はあの一枚の葉っぱの話だがや」
「葉はない、だがな」
「それならそれでだぎゃな」
「やり方がありだ」
「それでだぎゃな」
「こうして話していく、これから毎日な」
こう坂口に話した。
「これからな」
「そうだぎゃな。しかしだぎゃ」
「私が落語を知っていることがか」
「意外だぎゃ」
「実は好きでな」
落語がだとだ、室生は坂口に述べた。
「それでだ」
「ああして話せるだぎゃ」
「そうだ、だが」
「だが。何だぎゃ」
「私は野球や相撲で知ったかぶりする落語はしない」
「ああ、あいつだぎゃ」
知ったかぶりという話でだ、坂口も誰かわかった。
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