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とんでもない迷路
第五章
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「それはいいです」
「そうなのですにゃ」
「はい、おめでとうございます」
 係員は今度は笑顔になって弥生に答えた。
「では天主閣で、です」
「一万両をですにゃ」
「お渡しします」
 こうしてだった、迷路を踏破した弥生達は一万両を手に入れてそれをしずに手渡すことが出来た。そうしてだった。
 しずに手渡すとだ、彼女は二人を自分のいる神宮に誘いそこでお礼の宴を開いた。そこでしずは巫女の服になり舞も舞った。
 その時にだ、しずは弥生にこうも言った。
「まさか術を使われて」
「それでですにゃ?」
「はい、踏破されるとは」
「迷路は知恵ですにゃ」
「それを使ってこそですか」
「踏破するものですにゃな」
「それで術もですか」
 それもとだ、しずは弥生の言葉に気付いた顔になって述べた。
「あの様に多く使われて」
「そうですにゃ」
「歩く速さも速めて」
「色々見る術とかを使ってですにゃ」
「進まれましたか」
「そうですにゃ」
 まさにと言うのだった。
「罠や実際に襲って来るモンスターがいないだけましでしたにゃ」
「あたし達の行く迷路ってそういうのばかりだしね」
 玲子も笑って言ってきた。
「それだとね」
「時間制限がありましてもにゃ」
「何とか踏破出来るね」
「そうなりますにゃ」
「では今回若し踏破出来なければ」
 その場合もだ、しずは弥生に尋ねた。
「どうされていましたか」
「その時は再度ですにゃ」
 弥生はしずににこりと笑って答えた。
「挑戦していましたにゃ」
「もう一度ですか」
「次の日も。それでも駄目なら」
「また次の日にですか」
「何度もしていましたにゃ」
 こうしずに答えるのだった。
「そうしていましたにゃ」
「そうでしたか」
「そうですにゃ、ではまた」
「はい、機会があれば」
「お会いしましょうな」
 弥生や玲子と共にしずと笑顔で別れた、だが最後まで素性は明かさなかった。
 二人が肥後を出たその時にだった、弥生の前に多くの書が積み重ねられて出て来た。書達は弥生が触れるとすぐに消えた。弥生はそのうえで玲子に答えた。
「書は全部私の中に入りましたにゃ」
「何十冊もあったけれどどんな書だい?」
「風土記ですにゃ、それもこの世界の風土記は」
 弥生達が起きている世界ではその多くが失われてしまっている書はというと。
「この世界の地理のこと、他にも色々なことを教えてくれますにゃ」
「そうあんたの心の中で教えてくれてるんだな」
「はい、今」
「そうかい、じゃあその神具の力も使ってな」
「これからやっていきますにゃ。試練を乗り越えて」
「強くなったんだな」
「そうもなりましたにゃ」
 このことも実感しての言葉だ。
「まことに」
「よかったな、じゃあ今から
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