第三章
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「飲む方もでしたにゃ」
「二人共飲んだね」
「ビールの大ジョッキで十杯飲みましたにゃ」
「あたしは十五杯だったよ」
「玲子さん相変わらず酒豪ですにゃ」
「いやあ焼き肉とビールって合うだろ」
「黄金の組み合わせですにゃ」
そこまでだとだ、弥生は答えた。
「だからですにゃ」
「ビールも楽しんだよ、じゃあね」
「今日は宿に入ってですにゃ」
「そこでね」
「お風呂に入ってゆっくり休んで」
「それからだね、それと」
玲子は弥生にさらに話した。
「肥後は馬刺しだろ」
「では馬刺しもですにゃ」
「食おうね、それで馬刺しを食う時も」
この時もとだ、玲子は弥生に楽しそうに話した。
「いいね」
「飲むんですにゃ」
「今度は焼酎か日本酒かね」
焼き肉の時はビールだったがというのだ。
「どうだい?」
「それもいいですにゃな」
「そうだよな、じゃあね」
「はい、夜も飲むですにゃ」
弥生は玲子に笑顔で応えた、そしてだった。
二人で一風呂浴びてから夜は馬刺しと肥後の日本酒や焼酎を楽しんだ、すると翌朝二人共見事な二日酔いになっていたので宿の風呂で身体を清めると共に酒を抜いた。そうしてから迷路に向かおうとすると。
熊本城の天守閣、迷路の入り口に一人の山羊人の少女がいた。少女は何か意を決している様な顔だった。
弥生は無意識のうちに足を少女に向けて彼女に尋ねた。
「どうしましたにゃ?」
「はい、今から迷路に挑もうと思っていまして」
「なら今から行くですにゃ」
それならとだ、弥生は少女に答えた。
「そうするといいですにゃ」
「はい、そのつもりですが」
「何かですにゃ」
弥生は少女のその顔を見てだった、怪訝な顔になって彼女に尋ねた。
「必死そうですにゃ」
「そう見えますか」
「まるで自殺する前の様な」
「迷路に挑むのに自殺かい?」
玲子も少女の顔を見て声をかけた。
「それは違うよな」
「どうも事情がある様に見えますにゃ」
そうした表情になるだけのとだ、弥生は少女にこう言った。
「よかったらお話して欲しいですにゃ」
「はい、実は私は神社の娘ですが」
「神社のですにゃ」
「実はこの度普請をすつことになりましたが」
「そのお金がないですにゃ」
「それも私のお家の社は神宮なので」
神社は神社でも大きくしかも格式のあるものだというのだ。
「氏子の方々からの寄進ではまだ足りず」
「それは言えないですにゃ」
寄進の銭が足りないとはとだ、弥生も巫女という職業柄そうした事情がわかった。言えることと言えないことがあり宗教関係でお金のことは言えないことなのだ。
「それで、ですにゃ」
「そのお金をと思いまして」
「それでですにゃ」
「今からこの迷路に挑もうと考えています」
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