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憑依先が朱菜ちゃんだった件
第14話
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ーキングの施された苦無が地面に刺さってる。何かがあった時に離脱できる様、苦無を地面に刺してたんだな。


「……あのまま最後の一撃を放っていたら、受け止められていたかもしれません」
「その可能性は高そうだな。多分だけど、スライムを捕食したことがありそうだ。体の傷が少しずつではあるが回復している。固有技能(スキル)の『自己再生』を獲得していると考えるのが妥当。
『打撃無効』と『痛覚無効』、『自己再生』を併用すれば朱菜の一撃も受け止められるだろう。そして、受け止めたら最後だ」
「自分より魔素量が上と分かった以上、嫁とは言わず捕食して私の技能(スキル)の獲得を狙う。もしくは更なる存在進化を狙う、ですか?暴食にも程があります」


朱菜は少しだけ悪態を吐きながら、両手に立方体のチャクラを形成しようとする。が、それは蒼月によって止められた。


「朱菜様、それを使うのはお止め下さい」
「何故です、蒼月!これを使えば、耐性系技能(スキル)や無効系技能(スキル)を獲得するより早く――――」
「この戦、豚頭族(オーク)を通して何者かに覗き見られている可能性があります。先程までの状態もそうですが、これ以上覗き見している者にこちらの情報を流すのは良くありません」


豚頭族(オーク)を通して俺達を覗き見ている者がいるだと?黒幕はゲルミュッドだけじゃないのか!?


「………なら、どうするのです?一撃で殺しきらなければ耐性系技能(スキル)を獲得される可能性がある。炎も雷も効かない。斬撃と打撃も効かない。
風や土、水で攻撃しても耐性を獲得される可能性がある。砂を使った圧殺も死ぬより早く『圧力耐性』を獲得されるかもしれない。確実に仕留められるのは塵遁か尾獣―――」
「そこまでだ。蒼月の言う通り、この一件の黒幕が覗き見ているならこれ以上情報を渡す様な発言は控えろ」
「ですがリムル様―――」
「朱菜は何でも自分一人で解決しようとし過ぎだ。ちょっとは周りを頼れ」


リムル様はそう言い終えると、豚頭族(オーク)に向かって歩を進め始めた。


「時間を掛けた攻撃で耐性を獲得されるなら短期決戦だ。同じ捕食系技能(スキル)持ち同士、捕食で勝負を決しようじゃないか」




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