第六章
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コボルトの名前はクサイン=スガラモといった、このギニア生まれの科学者で魔術も学んでいる。植物を動く様に出来れば文明の発展に役立つと思って冒険者として働いて資金を溜めて研究をはじめたがその研究の為の書や設備を整えた時点でその資金がなくなり今に至りこの場に来た時に仲間にした蛸と共に仕方なく西瓜を盗んでそれで研究や実験、実用化に使っていたのだ。
ことの全てを聞いた玲子はスガラモと蛸を警察に引き渡した、ついでに西瓜達も。
彼等は取り調べの結果自分達が言っていた通り西瓜泥棒つまり窃盗を行っていたが罪悪感はあり反省の情があったので改悛していると見て入牢とはならず盗んだ西瓜の分だけ西瓜畑で働くこととなった、そしてその後で政府に科学者として正式に雇われ今度は公費で動く植物についての研究を行うことになった。太平洋とアフリカを統括する政府としては彼の研究は面白いと認めてのことだ。また科学者としての彼の資質も認められたのだ。
このことが終わってだ、玲子達はギアナを後にして次の場所に向かおうとしたが。
玲子は港町で目の前にあるものを見た、それは。
「へえ、松風かい」
「そうですにゃ」
それは見事な黒馬だった、鬣も漆黒で実に逞しい身体をしている。弥生もその馬の名前をすぐに察した。
「玲子さんは傾奇者ですにゃ」
「だから新しい神具はだね」
「馬は馬でもですにゃ」
「神具だね」
「左様、これからご主人と共にだ」
ここで松風も玲子に言ってきた。
「拙者は戦っていこう」
「そうしてくれるんだね」
「拙者は一日千里を走り」
「海の上も空もだね」
「進める、そうした馬だ」
「凄いね、じゃあね」
玲子は微笑んで松風に応えた。
「これからはね」
「拙者の力もだな」
「借りるよ、宜しくな」
「こちらこそ」
「試練を乗り越えて強くなったし」
玲子も実感していた、全身に力がみなぎっていることを。
「それじゃあね」
「これからですにゃ」
「次の場所に向かおうね」
松風に乗りつつだ、玲子は弥生に応えた。もう松風には馬具が全て備わっていて乗るには困らなかった。
「そうしようね」
「わかりましたにゃ、では」
「行こうね、後ね」
「後。何ですにゃ」
「あんたも乗りな」
自分の背を見てだ、玲子は弥生に誘いをかけた。
「そうしてな」
「二人でですにゃ」
「ああ、松風に乗ってな」
そのうえでというのだ。
「次の場所に行こうな」
「そうしていいですにゃ」
「遠慮は無用だよ、仲間じゃないか」
それ故にとだ、玲子は笑って答えた。
「じゃあね」
「わかりましたにゃ、では今からですにゃ」
「乗ってだね」
「一緒に次の場所に行きますにゃ」
弥生は玲子に笑って応えてだ、そしてだった。
彼女も松風に乗った、
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