第2話:一応の和解
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ークタワーをぶっ壊すのもその女を倒すのも。一応選ばれし子供だしな」
「どうして…」
「ん?」
賢の小さな呟きが大輔には良く聞こえなかったので聞き返す。
「どうして……君は……僕を信じてくれるんだ……僕は……君にもあんなに酷い事をしてしまったのに……」
どのような罵倒を言われようと言い返す資格すらない自分に何故優しく出来るのだろうか?
「それはな、俺には聞こえたんだよ。」
「聞こえた?」
「ああ、変な奴と思うかもしれないけど、俺…お前の優しさの紋章から声が聞こえたんだ。上手く説明は出来ないんだけどな。その声を聞いたら、胸が暖かくなってさ。本当のお前が悪い奴じゃないって気付けたんだよ…。だからさ、お前が気にする必要なんかねえぞ。お前に力を貸したいと思うのは、俺がお前に力を貸したいからだ。こうしたい。だからそれをする。そんだけだよ…」
それを聞いたヒカリは思った通りだと思った。
大輔ならきっと、賢を仲間として受け入れると思っていた。
「まずはいきなり仲間は無理だろうから友達から始めようぜ一乗寺…でも機会があったらみんなに謝って欲しいんだ…みんな頭が固いからいきなり和解は無理だろうけど」
「分かった…元の世界に戻れたら必ず…」
「一乗寺君…」
ヒカリが少し前に出て、賢の目を見る。
デジモンカイザーの時のような濁った物とは違う澄んだ色をした瞳。
「私はまだあなたがしたことは許せない。沢山のデジモンを操ったじゃなく、傷つけて、キメラモンを造ったあなたを」
「…はい」
「でも…私達を助けてくれてありがとう。あなたの話…私も大輔君と同じように信じる」
「八神…さん…」
それだけ言うと、ヒカリは口を閉ざした。
「それにしても…不思議だよな、ここのデジモン達…進化のこと全然知らないなんて」
「そうね、デジモンなら当たり前のことだと思っていたのに…」
ジジモンと話した際にアーマー進化を不思議な変化と言われた大輔達。
確かにアーマー進化は普通の進化と違ってアイテムとデジモンを融合させる進化だから珍しいと思っていたのだが、普通の進化や退化のことまで知らないと言われたのは驚きであった。
「不思議と言えば、ライドラモンやネフェルティモンがマンモンを一撃で倒せたことにも吃驚したな。正直目眩ましが精一杯だと思ったのに」
「おい、大輔。俺も不思議に思ったけどさ…その言い方は傷つくぞ」
「悪い悪い」
不機嫌そうな表情で見つめながら言うブイモンに大輔は苦笑した。
「どうやらここには進化や退化の概念はないみたいだ。成熟期や完全体のことも知らないみたいだから、ある姿で生まれたデジモンはそのままなんだと思う。例えば本宮君達が倒したマ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ