第四章
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「お家まですぐだしね」
「ですね、確かに」
「ここからだと」
三人が住んでいる麻弥子の部屋は都島区にある、大淀からすぐ近くだ。
「それじゃあ車ですぐに行って」
「それからですか」
「寝るわよ」
歯磨きと入浴の後でというのだ。
「いいわね」
「あの、ですが」
リィナが麻弥子に困った顔になって話した。
「このラジオ局の前に」
「妖怪が出るって聞いてますけれど」
マリンも麻弥子に話した、やはり困った顔で。
「いいんですか?」
「妖怪に出会ったら」
「その話は私も知ってるわ」
はっきりとした声でだ、麻弥子は二人に答えた。自分が担当しているアイドル達に。
「何、心配無用よ」
「あれっ、どんな妖怪か知ってるんですか」
「それでそう言われるんですか」
「知らないわよ」
きっぱりとした口調でだ、麻弥子は二人に答えた。
「出るとは聞いただけで」
「あの、若し悪い妖怪だったら」
「大変なんですが」
「いいんですか?」
「悪い妖怪だったら」
「妖怪が怖くてアイドルはやれないし」
麻弥子は怖がる二人に胸を張って言った、だが小柄なので二人から見ても子供が威勢を張っている様にしか見えない。
「マネージャーもやれないわ、しかも何が出てきてもね」
「大丈夫ですか」
「そうなんですか」
「気を確かに持っていればね、それに私はね」
麻弥子は右手に何時の間にか長い棒を出して言った、彼女の背より長い。
「薙刀六段よ」
「薙刀、ですか」
「確か滅茶苦茶強いんですよね」
「剣道よりも強いのよ」
「リーチがあるからですね」
「あと脛も攻撃出来るから」
二人はそれぞれの薙刀の知識から麻弥子に応えた。
「だから強くて」
「しかも六段なので」
「鬼が出て来てもこれでやっつけるから」
麻弥子は二人に強い声で話した。
「安心しなさい、じゃあね」
「帰るんですね」
「今から」
「ええ、そうするわよ」
二人にこう言ってだ、そのうえでだった。
麻弥子は二人を連れてラジオ局の前に出た、真夜中だが満月が照らしていて明るい。しかも時間は。
マリンは自分の腕時計を見てリィナに囁いた。
「十二時よ」
「まさにその時間ね」
「出て来るならね」
「今よね」
二人で息を飲んで話した、するとだった。
「名物カレー何杯食べよか」
「何、この声」
「一体何?」
二人は何処からか聞こえてきた声に即座に反応した。
「ひょっとして妖怪?」
「これが妖怪?」
「ひょっとして」
「これが」
「虎は死んで皮を残す」
また声がしてきた。
「織田作死んでカレー残す」
「見て」
ここで麻弥子、二人の前に立つ彼女は未知の右の方を指差した。すると。
そこから木の車輪がごろごろとゆっ
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