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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第6話 副主任看守登場!!
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 疲れたな。クソ変態め、後で打っ殺してやる。

「琴葉ちゃんも、大変なんだね」
「同情するな!!」


  ◆ ◆ ◆


 全く、朝から散々だったな。
 巡回中、また九〇四番達が盛り上がっていた。だが、何時もと違い、房の前に要がいる。

「でねでね? 琴葉はすっごく甘えん坊で、泣き虫で、可愛いんだよ〜!」
100「マジか……」
904「琴葉ちゃん、彼氏とかいるの?」
「いない!」
4「へぇ。良いことを聞いたな」
89「イケメン担当と変態担当、琴葉ちゃんに手は出しちゃ駄目だよと言うかヘンな事しちゃ駄目だよ」
904「何を疑わてるのかな? 俺達」
89「……………………」
「で、其処に居るのはバレているんだよぉ? 琴葉」

 ゲ、バレたし。
 咄嗟に通路の角に隠れたが、そう言えば黒崎家は魔法で有名な家だと思い出す。索敵魔法等が、世界最先端レベルの実力があるらしい。"黒崎家の御陰で、ストーカー被害が格段と減りました!"とニュースで見た気がする。

 でも、黒崎家のお坊ちゃま(要)もストーカーな気がするのだけど。

「何……?」通路の角から頭を少し出しながら反応する。
 すると、ニヤリと要は笑みを浮かべ、

「琴葉って、身長の割に胸あるよね」

 …………顔に熱が集まる。次の瞬間には要との間を駆け抜け、ヤツの鳩尾を蹴っていた。

「御前、マジ最低ッ! セクハラで訴えてやる!! クズ! クズ要!! ……って、貴様等もまじまじと見るな変態!!」

 こんなに要がいらないと思った日は無い。

「クズメ!! セクハラ(じじい)!! クソ看守!! 死ね!!」

 "身長が小さい"だったら、「御前より小さいだけだ!」で終わりにしたのに。…………って、一般的に見て一六三センチって小さいのか?
 要改めクズメをゲシゲシと踏み付けていると、私を見詰めて黙っている事に気付く。思わず脚を止め、何? と小首を傾げる。

 すると、クズメはすぐにニヤリと笑い、

「黒なんだぁ」

 と言った。

 看守服のズボンが乾かなかったからと言う普通の理由で、久し振りにスカートを穿いたのが間違えだった。反射的にスカートの裾を抑え、声にならない叫びを上げる。

「へぇ……大人っぽーい!」
「大人の女性って感じだねー!!」
「誘っているのか?」
「…………エロ琴葉」

 囚人共はこんな事を言い始める。
 確かに此奴等は一八から二〇歳と言う、色々してみたい時期なのだろう。だが、だが…………!!


「『エクスプロージョン』」

 
 ―――房内は木っ端微塵に破壊された。

 許すわけないでしょうが。



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