暁 〜小説投稿サイト〜
魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第4話 小ネタ詰め
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
◆ 誰がモテる? ◆

 昼頃。昼食の時間が終わり、囚人達は房に戻っていた。

「ねぇ、琴葉ちゃん」

 巡回の途中、九〇四番に声を掛けられ、脚を止める。

「…………何だクソ野郎」
「酷くない? まぁ、それは置いておいて、俺達四人の中で、誰が一番モテると思う? やっぱり俺だよねっ?」
「無いねあと自惚れるなクソ野郎」
「即答!?!?」

 そんなくだらないことで私の仕事を邪魔すんなとツッコみたいが、少し待ってやる。ここで答えを出しておけば、少しの間話の種を見付けられず、静かになるのでは無いかと思ったからだ。
 此奴等のことだから、きっと誰が一番モテるかで揉めて、女である私に聞こうと思ったのだろう。

「誰が一番かと言ったら、レンじゃ無いの? イケメン担当(仮)の二人のどちらかだったら、レン。四番はあれだ、『御前は僕の下僕だ。一生僕に仕えろ』とか言うだろ?」
「貶しているのか? 褒めているのか?」
「知らない。もういい、仕事残ってるからじゃあね。絶対脱獄しないでね脱獄したら今度は監禁するから」

 四番のツッコミを捌いて、すぐに踵を返す。まだ仕事は途中なのだ。
 後ろでぎゃいぎゃい騒いでいる声が聞こえたが、暫くして収まったので、気にしないでおこう。

904「レンー、今のどう思ったー?」
100「……嬉しいけど」
4「何だ? 照れてるのか?」
89「レンくんかわいー!」
100「…………何言ってんだよ」
904「……俺、気付いたわ」
89「なになにー!?」
904「レンと、琴葉ちゃんって、両想いじゃね?」
4「いや、恋まで発展している訳が無いだろうが」
89「ねー。流石変態担当、妄想の度が違う」
100「あー確かに」
904「ひどくね……?」



◆ クリスマスの準備 ◆

 私が納める(?)この一舎は、毎年恒例行事の真っ最中である。

「おらー囚人共ー! さっさと飾り付けしろー」
「「「はーい」」」

 一二月二五日、クリスマスの準備だ。
 一舎では、クリスマスツリーの飾り付けを、(面倒臭いから)囚人達にやらせているのだ。モミの木が飾ってある広場の飾り付けもセットで行っている。

「赤いのはこっちー。黄色いのがそっちー。あ、その青いのもうチョット右にしてー。あ、おっけー」

 飾り付けの仕方を説明しよう。
 まずは飾り製作班。ツリーの下辺りで、魔法を駆使して飾りを製作。赤、青、黄色の球体の飾りや、綿の様なふわふわした飾り、ツリーに巻き付けるような飾りを作っている。
 次に飾り付け班。魔法を使って、飾り製作班が作った飾りを浮かせ、上手くモミの木に飾る。配色もしっかりと考えているようで、流石魔法を使いつつ作業する、その集中力や頭の回転は流石だなぁと感心する
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ