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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第1話 第一魔法刑務所
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 他の囚人や大半の看守には、"囚人番号一〇〇番"として通っている。が、実際はただ単に此の第一魔法刑務所で"保護"している少年なのだ。囚人では無いため、名前で呼んでいる。現在は山の一番下に居る。

「お前は医務室へ」
「……分かった」

 フラフラとした足取りで此方へ向かってくるレン。九〇四番、八九番、四番は、それを何時も通り眺めている。三人はもしかすると気付いているのかも知れない。レンが、囚人では無いこと。
 如何にか此方へ辿り着いたレンだが、着いた途端に私にもたれ掛かる。

「てめぇら、大人しくしてろよな」
「じゃあキスして」
「死ね」

 九〇四番なんてもう知らん。一瞬の内にレンを背負って、九〇四番を、今度は頭全てを床にめり込ませる。

 直ぐに踵を返して、房の扉を閉める。

 淀んだ空気が流れる房内は、暫く沈黙に包まれ―――

「はいはーい。琴葉ちゃんがスカートではなくズボンを穿いている件についてなにか意見ありますかー! 俺的には、体型を気にしてるのかなって思うんだけど、全然琴葉ちゃんって細いよね! でも出るとこは出てるから、めっちゃエロい体つきしてて、思わず眺めちゃうんだよねぇ」
「「お前が変態だからだと思う」」
「え、酷い」

 る訳が無かった。

 ってか、もう九〇四番は縛り付けておこう。もう意味分かんない。


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