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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica28-B覇王の記憶〜Memory of farewell〜
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との永遠の別れを受け入れることになる。オーディンさん。だから僕は――僕たちは、あなたの握手には応じられないのです――

――必ず再会しましょう。その時にまたもう一度握手を――

――判った。また逢おう。再会の証として、その時にまた握手を。クラウス、オリヴィエ王女殿下、リサ――

オーディンさんがクラウス達に差し出した右手にクラウス達は応じず、“エグリゴリ”という人型魔導兵器との戦いの後に改めてお別れの握手をしようと約束をしたのですが、「その約束は果たされることがありませんでした」と私は漏らした。オーディンさん達の死が各国に伝わるのはそれから数ヵ月後。最初は噂程度だったものが次第に事実として伝わり、ベルカは再び戦乱の時代を迎えました。

「水や大地を穢す猛毒の弾薬、人も草木も全ての命を腐らせる腐敗の兵器・・・禁忌兵器と呼ばれるそれらが投入され、ベルカの大地は死に向かい始めました。国が滅ぶだけならまだしもベルカという世界そのものが滅びかねないということで、アウストラシアは聖王のゆりかごの起動をベルカ全土に宣告しました。その時はまだ警告としての意味合いでしたが・・・」

――ゆりかごの起動? 確かにこの戦乱を終わらせるには最早その手段しかないようには思えるが・・・――

――クラウス王子。ヴィヴィ様が愚かな選択をしないように気を付けなければ・・・――

――・・・彼女は優しすぎるからね。ゆりかごの王に立候補しないとも限らない――

――こんな時にオーディンさんが居てくれたら・・・――

――おや? 君はオーディンさんのことを苦手としていただろう?――

――それは、そうだけど・・・。僕は彼の実力は認めていたんだよ。恐ろしくもありながら神々しい魔力と魔導。僕は・・・――

――でもオーディンさんはもう居ない。それにイリュリアとの戦いで十分に助けてもらった。これ以上迷惑を掛けることは出来ない。一時とはいえ彼がくれた平和を取り戻すのが、残された僕たちの仕事だ――

クラウス達はオリヴィエ殿下をなんとしても“ゆりかご”に乗せないと考えていたのですが、ある事がきっかけとなり、それがオリヴィエ殿下の決意を確固たるものにしました。記憶の映像が、燃え盛る森のものへと変わる。

――クロー! どこだ、クロー!――

――皆さん、どうか返事をしてください!――

――魔女猫ー! みんなー! どこに居るー!?――

「アウストラシアの宣言したゆりかごの起動、威嚇による圧制を許さないという一部の国が、アウストラシアの聖王血統者と、それを庇護する国や団体を標的にして攻撃を仕掛け始めたのです」

魔女の森を焼き払ったのもそんな国の者たちでした。ヴィクターさんが「ダールグリュンの治めていたバルト三国も、その標的にされていたそう
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