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勇者クリストファーの伝記
第1章 たった一人の勇者
魔を討ち払う剣
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 まだ魔族は残っていた。意識を集中させる。脳裏に周囲の地形が浮かび上がり、どこに魔族がいるのかが感覚として掴める。
 剣を握りしめる。刃に魔力が纏わりつき、光り輝く。振り抜くと、極光が走る。目が眩むような光が溢れ出し、直進。逃げ惑う悪魔たちを飲み込んでいく。
 衝撃音と土埃。光が通った後には、極大の破壊痕が現れていた。大地は扇状にえぐり取られ、木々が吹き飛ばされている。悪魔たちは、跡形もなく消え去っていた。
「……はぁ」
 剣を鞘に戻して、溜息をつく。僅かばかりの虚しさがあった。
 それでも、これが僕の役割だ。



 これが、『勇者クリストファー』の役割だ。
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