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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica28-A覇王の記憶〜Memory of an encounter〜
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は近くに居なかったことで、同年代のオリヴィエ殿下とは、その僅かな交流のみで親交を深めた。そして留学生と言う体でシュトゥラへとやって来たオリヴィエ殿下と、あの悲劇の日が訪れるまで長く穏やかな時間を過ごした。

――はじめまして。シュトゥラ第一王子クラウス・イングヴァルトです――

――はじめまして、クラウス殿下! アウストラシア聖王家より参りました、オリヴィエ・ゼーゲブレヒトと申します!――

私とヴィヴィオさんの視線が交わった。ヴィヴィオさんは「わたし達が初めて会った日を思い出しますね♪」と笑いました。その笑顔はオリヴィエ殿下と本当に似ていて。私は小さく「はい、そうですね」と返すだけ。少し素っ気無かったと思うけど、やはりヴィヴィオさんやジークリンデ選手のように笑えない・・・。

「紅と翠に煌く瞳、風に靡く金糸のような髪、太陽な笑顔がとても素敵な少女でした」

それがクラウスの第一印象だったようです。実は私も初めてヴィヴィオさんにも同じような思いを抱きました。だからこそ私の一方的な気持ちを彼女に向けないため、私は距離を取っていた。

「オリヴィエ殿下は、生まれつき両腕が巧く機能せず、腕を使う際には魔力で稼動する籠手を付けていました。そんな彼女の友人にはヴィルフリッド・・・リッドが居り、2人がシュトゥラへとやって来た頃には、彼はエレミア製の武具用籠手を彼女に贈っていました」

「籠手・・・?」

「はい。普段装着していた籠手でもオリヴィエ殿下の生活にさほど支障はなく、軽い武技の練習などもこなせていました。ですがエレミア製の頑強な籠手を装着しての彼女の武技は、リッドと共に鍛錬していたことで、天賦の才能と合わせて素晴らしいものでした」

今目の前にあるクラウスとオリヴィエ殿下の生活。共に勉学を教わり、武技を鍛え、常に共に過ごしていた。自分の身の丈ほどある大剣や戦斧を自在に操るだけでしたが、リッドより贈られた籠手を装着すれば正確無比な無手での組み手も可能になり、さらにその強さに磨きを掛けていきました。クラウスは、彼女とともに強くなっていることの実感に震え、そして彼女の成長を喜んでいた。

――武具ということでシュトゥラへの持込が遅れてしまいましたが、ようやく本格的な組み打ちが出来ますね、クラウス!――

――あなたの友人というのは確か・・・――

――はい! エレミア、ヴィルフリッド・エレミアです! 私に武術の基礎などを教えてくれた、大人しくて優しくて友人です! 学問を修めるためにベルカの各地を旅しているんです。クラウスとだってきっと、仲良くなれるはずです♪――

「ウチのご先祖様が、オリヴィエ殿下に武術を教えてたってこと? それはウチも知らんかったな〜・・・とゆうか、ご先祖様の事はなんも知らへんのやけど」


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