暁 〜小説投稿サイト〜
ノーゲーム・ノーライフ・ディファレンシア
第2部 ゲーマー少年は唯一神と暇潰しをするようです
第1話 挑戦状
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てまだ余裕があるのか、さらにステフとの会話までこなす。

「おい赤毛、こんなの毎日やってんのか。本当に頑張り屋(バカ)だな」
「私の唯一のお株を奪われて……もう嫌ですわぁ〜……」

たった一時間で本当にステフの一週間分の仕事をやってのけたグシに、感謝より先に絶望がステフを襲った。何せステフの仕事ぶりは、かの『  』さえ認める手腕?────それだけは誇れていたステフ、しかしグシはその遥か上を行っていたのだ。
唯一の長所、追随を許さない実力?────それを奪われては泣きたくなるのも当然だろう。
しかし、そこで諦めるステフではない。その仕事率の高さを自分が習得出来ればとスイッチを切り替え、グシに質問を繰り出した。

「そ、その仕事の早さ、一体何をどうやってるんですの!?」

ステフの言葉に、グシは緩慢に顔を上げる。『  』に追いつかんと日々ゲームをする度学んでいる彼女の事だ、この仕事率にも追いつこうとしているに違いない────グシはすぐにステフの意図を察し、頬を掻きながら言った。

「……教えてもいいが、多分出来ないぞ?」
「どんとこいですわ!あれ、以前もこんな事があったような…」

過去にも同じ問答をしたような既視感を感じるステフに、だがそれを知らないグシは構わず講座を始める。

「そうだな、まずは書類を30枚ほど取ってめくれ」
「はいはい」
「そして、めくった瞬間に一発でそれを覚えろ」
「はいh…えっ?」
「次に、覚えたそれを思い出しながら確認して、その際に訂正が必要なら────」
「いや、ちょっと待ちなさいな!?なんですの一発で覚えろって!?」

その講座?────否、暴論にステフが口を挟む。
グシが言った事はつまり、『素早くページをめくりながら本を読め。そして1字1句間違えずに覚えろ。さらに不自然な点も洗いだせ』と言うようなものだ。
そんな暴論は白の専売特許だろう。少なくとも、それはステフに出来た所業ではない。

「だから言っただろ、多分出来ないって」

ステフの心からの叫びに、楽しそうにグシは言葉を返した。
グシは最初からステフがこの暴論を実行出来ない事が分かっていて、その上でからかったのだと、今更気付いたステフは顔を真っ赤にする。そして、からかった事に文句の一つでも垂れようと口を開き────
だが、グシの目が()()()()()()事に気付き、すんでのところで言葉を呑んだ。
グシは、そんなステフの様子に苦笑を一つ漏らして言った。

「それに、()()()()()()()()()()()()()()()。お前の考える通り、これは暴論だ。凡人に出来るべきじゃな
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