純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 12
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をしている犬にでもなった気分だ!」
「ある意味ご褒美と言えなくもないってところが、グウの音も出せなくて悔しい……っ!」
「アリア様は我らを見放されたのだ……」
主神様は、とんだ風評被害を受けた。
「……現実とは常に弱者を苛むものよ……。だがな。どんなに長い時間でも息を潜めて耐え忍び、諦めずに機を窺っていれば……そして、その機を逃さなければ。幸福は必ずこの手に掴めるのだ。必ず。意味は……解るな?」
五十代前後の男性司教の後ろからひょこっと顔を覗かせた、やはり五十代頃と思われる別の男性司教が、聖職者の肩書きに恥じない、慈愛に満ちた視線と仕種を「生贄」達へ贈る。
「機を……逃さない……」
複数の虚ろな目が、復唱した言葉と共にじわりと高度を上げる。その先に立つ、壮年か中年か、一目では年齢を読み取れないちょっと軽い性格? な印象の女性司教が、こてんと小首を傾けた。
「言ったでしょ? 第三王子殿下は、彼女に名指しで「頼られた」のだと。つまり……」
「!! ま……まさか、殿下は!?」
雷撃を食らった鳩のようにバババッと顔を上げる信徒達。
「司教様方は、この為に調理場へいらしたのですか!」
視線の集中砲火を浴びた四大司教は鷹揚に頷き、声を張り上げた。
「そうとも! まさに、今がその時!」
誰かが「おお……っ」と呟く。
「さあ、我が同朋達よ! その百合根を高く掲げよ!」
呟きは一つ二つと増えていき
「女神アリアへの敬愛と忠誠を、行動を以て彼の御方に示すのだ!」
最後には総員の勇気を讃える雄叫びとなる。
「総ては!」
「「「閣下への心証を少しでも底上げしてもらう為に!!!」」」
通りすがりの別班員
「いいから早く、仕事して」
vol.19 【会議室にて】
「お茶と菓子を出したっきり誰も来ないな。忙しいんじゃなかったのか? 俺、此処に居る意味ある?」
裏の事情など知る由も無いヴェルディッヒの率直な疑問に、ミートリッテは一瞬言葉を失った。
祭事の最中だけど責任者はのんびりお茶を啜っててくださいと言われれば、確かに「何の為の代理なんだろう?」と思われても仕方ない。
しかし、彼は教会外の人間だ。それも政治に直接関わっている。立場上、本当に重要な信仰内部の資料等に関与させる訳にはいかない。
プリシラが彼に求めているのは、厳密に言えば「教会の責任者代理」ではなく、教会を空けても国の重役が見ているからな……という「対外用の結び付き誇示」と「現上役に反感を持っている信徒達への圧力」。そして、「彼に仕える騎士団員による祭事の準備補助」。
ヴェルディッヒ当人には決して、見張り役以上の実務をさせては
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