純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 12
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頭を下げる。
「承知しました。我ら騎士団、王国を護る剣であり盾。お役に立てるよう、微力ながら尽力いたします。なんなりとお申し付けください」
「皆様のご協力と誠意に心よりの敬意と感謝を。皆様に女神アリアの祝福が舞い降りますように」
「「「「「ありがとうございます」」」」」
「では、セーウル殿下。こちらをお受け取りください。あらかじめこちらでまとめておいた行程表です。人員の振り分けは殿下にお任せしますので」
「拝見します」
机の上に置かれていた紙をプリシラの手から受け取ったセーウル王子は、彼の斜め後ろで控えていた男性と一緒に細事を確認した後、あっという間に配置を決定。速やかに行動を開始した。
波が引くように次々と荷物を持って退室していく、聖職者姿の騎士達。
各隊員をすべて送り出し、最後に残ったのは、セーウル王子と、騎士達に直接指示を出していた男性、プリシラ次期大司教とミートリッテの四人だ。
廊下と繋がる扉が閉まった音を確認した途端。
執務室内に、和やかな空気がふわりと漂い始める。
「ふふ! 本当にお久しぶりね、ヴェルディッヒ殿下。お元気でしたか?」
「ええ。プリシラ嬢もお変わりなきご様子で、なによりです」
『同じ王都内に住む従姉弟』という間柄が気兼ねをなくさせるのか。
敬語こそ外さないものの、二人の表情は常になく柔らかい。
セーウル王子と同じ村に住んでいた過去を持ち、『生贄』の洗礼を受けた経験もあるミートリッテの心情は「この二人は誰だ?」の一言に尽きる。
「一方的にお呼び立てしてしまって、すみません。ところで、そちらの方をご紹介いただいても?」
「彼はボナフィード=フルウム=ベルヘンス。私付き第三騎士団の団長で、北方領南部にあるベルヘンス伯爵領の現領主です」
「初めまして、プリシラ次期大司教様」
セーウル王子の紹介で一歩前に進み出たベルヘンス卿が、背筋を伸ばして踵を揃え、プリシラに向かって王宮騎士式の最上礼を執る。
刹那。
藍色の虹彩が妖しく煌めいた。
脇で黙って見ていたミートリッテの頬が、わずかに引き攣る。
ああ、始まったな……と。
「ベルヘンス領といえば、良質な雪解け水が流れ込んでいる地域ですね! 私、あの辺りで売られている小麦製品が特にお気に入りなのよ」
「光栄です。小麦製品は、我々地元民が最も力を入れている特産品。今後、お目通り叶う機会がありましたら、お薦めの一品をお持ちしましょう」
「まあ、嬉しい! とても楽しみですわ。その時は、私の可愛い第一補佐、ミートリッテ=ブラン=リアメルティの分もお願いしてよろしくて?」
ちらりと横に走るプリシラの視線。
その先に立つミートリッテを見たベルヘンス卿は、両手の指を軽く握り
「もち
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