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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第268話 統一トーナメント
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メンバーな上に姉妹なんだろう? 当然じゃないか?」
「わかってないよねー、やっぱりリュウキってば。……んん? よーし! もう時間無いよ! おしゃべり止め止め!」

 
 試合開始を告げるカウントダウン。
 決勝戦だからなのか、演出が凝りに凝っていて戦い開始までが異様に長かった。……でも、それももう数秒だ。

 ユウキは、黒曜石の様な鮮やかなで、やや紫の色を含んだ剣をそっと引き抜いて構えた。
 リュウキも同様に構える。形状はユウキの剣よりやや長く、銀の刀身に鮮やかな花柄の彫刻(エングレーブ)

 今回はリズベット武具店で仕立ててもらった古代武器(エンシェント・ウェポン)伝説武器(レーヴァテイン)は、純粋にスキルを競いたいから、と言う訳で性能的に封印した。ユウキはそんなの意に返さないとは思うが、リュウキの気の持ちようだけだ。……それに、達人は武器を選ばず。例えどんな武器を使っても 極限に近い力量を持つ者であれば大した差はない。単純な話……壊れない武器であればどれでも構わないという程だから。


 そして、激闘が始まった。


 緊迫した空気の中、互いの剣を弾く音だけが、音響係でもいるのか けたたましく闘技場に響き渡る。色を象徴とした衝撃波も周囲に四散。それ程までに派手なバトルだというのに、それに反比例するかの様に会場は静まり返っていた。歓声1つ上げるのを止めて。

 あまりにも高いレベルの対決。準々決勝、準決勝でも同じ現象が起きたが、やはり見入ってしまう。魅入られてしまうのだ。最高クラスの戦いは こうも人々を魅了させる。

 後の先、先の先、あらゆる読み合いも始まり、リュウキがソードスキルを放つ仕草をすれば、見切りの天才でもあるユウキはすかさず迎撃態勢を取る。ソードスキルに対するカウンターが彼女が最も得意とするものだから。

 現に、準決勝でキリトを破った時。キリトの片手剣スキル メテオブレイク の7連撃の全てを見切ってパリングするや否や、硬直状態を狙って自身のOSSを叩き込み、最後の最後でタイムアップ。残りHPの差で勝利をものにしたのだから。

「わぁッ! (やばっ 誘われたっ!?)」

 それを視たリュウキ。正直ずるいかも、と思ったりしたが それも戦略。だと自身を納得させた。ソードスキルは、発動するか否かは最後の一手に尽きる。最後の最後まで使用するスキルを脳内で決め、そして放つ。放った後では 止める事は出来ないが、放つ前なら話は別だ。
 現実ででもフェイント技と言うのはどの競技にも存在する。裂帛の気合。極限の殺気。それらを込めた技だからこそ、相手は構え、つられてしまう。

 リュウキは、それと同じ様に、最後の最後、技を放つ刹那の瞬間まで、偽物(フェイント)ではなく本物(リアル)を演じた。
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