暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第268話 統一トーナメント
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「………」
「もー リュウキ君? 機嫌直してよー。ほんとごめんってば」
「別に。オレは普通だ」
「普通に見えないってば。ね? この通り!(あ、でも なんだか懐かしい気がするセリフかも……)」

 これはとても珍しい絵かもしれない。
 リュウキがむくれていて、アスナが機嫌取りをしている構図。いつもなら、リュウキをからかったりするリズやアルゴ辺りがやや多く、シノンは勿論の事、更に言えばリーファやシリカも経験がある。そして、その他に言えば男で言えばクラインが筆頭で、その他は大体が似たり寄ったり。

 明らかにランク外なのがアスナ。

 キリト関係は例外だが、それ以外は基本的にいつもニコニコ、時折 お説教したり諫めたり、である。

 そして、リュウキもアスナがわざとじゃない、と言う事くらい勿論判っているし、自分自身の脇の甘さが招いたことだという事も十全に理解している。つい最近、自分自身に言い聞かせていたばかりだったのだから。

「アスナ。……誰にも、その………」

 だからこそ、口にした。
 言わないでくれ、と最後までは言えてないが、大体は判るというものだ。アスナも勿論。にこっ、と笑みを向けていたから。

「任せといて。こう見えて私口は堅い方だし。それに、リュウキ君に本気で怒られて嫌われちゃうのはもっと嫌だからね?」
「い、いや、こんなことで 嫌ったりなんかしない。だけど、これは……、これだけは……。口外しない、と約束してくれるなら、アスナの願い。聞ける範囲で応える」
「やー、大袈裟だよー。願い? …………。ん、んっん〜♪ ちょっと待って、それってほんとっ?」
「ッ………、あ、ああ」

 アスナの笑みには覚えがある。
 そう、レイナもそうだった。何処となく悪戯心が顔に出るから。流石は姉妹。本当によく似ていて、リュウキは正直後悔しかけたが、最早後の祭り。言った言葉を早々に覆すような真似はみっともないから。

「じゃあさ。リュウキ君。えっとね〜」

 アスナはリュウキの顔を覗き込んだ。

 レイナとアスナは 所々は当然違う。毎日のように顔を合わし、愛している人だから リュウキ、勿論キリト、そして近しい者たちにも当然見分けはつくのだが、それでも双子と見間違うほど似ている、と何度か聞くけれど 間違いじゃないとわかる。
 
 だからだろうか、なんだかその笑顔は苦手な気がしてしまっていた。レイナの様に 色々と聞いてしまいそうだから。

 そしてアスナの口から出てきた言葉も、なかなかハードルが高いものだった。

「じゃあさー。私の事 『おねえちゃん』ってよんでくれないかな?」
「………え?」

 一瞬何を言ったのかリュウキは判っていなかった様だが、直ぐに理解する。別に違う国の言葉を発した訳じゃ
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