第一章
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ダッチェスのお話U
ダッチェスはこの時燻製を作っていました。
お家でせっせとソーセージやハム、ベーコンを作っていました。その途中にです。
ダッチェスはお家に来た狐どんにこんなことを言われました。
「燻製を作っているのかい?」
「そうだよ」
その通りだとです、ダッチェスは狐どんに答えました。
「食べたら駄目だよ」
「そんなことはしないさ、ただね」
「ただ?」
「ソーセージは何を入れているのかな」
狐どんはダッチェスにソーセージのことを聞いてきました。
「一体」
「何って挽肉だよ」
「おや、普通だね」
「普通って他に何を入れるんだい?」
ソーセージの中にとです、ダッチェスは狐どんに聞き返しました。
「挽肉の他に」
「いや、レバーを崩して入れたり血もね」
「そうしたのもなんだ」
「入れたりするじゃないか」
「そんなソーセージもあるんだね」
「ドイツでは結構普通にあるよ、あとは」
「あとは?」
「スモークサーモンも作ったらどうかな」
こちらもというのです。
「どうかな」
「鮭?」
スモークサーモンと聞いてです、ダッチェスは狐どんにすぐに言いました。
「いいのかな」
「君も鮭を食べたことがあるね」
「勿論だよ、スモークサーモンだって」
「じゃあ作ってみたらどうかな」
「そう言うけれど僕は作ったことがないからね」
こう答えてです、ダッチェスは狐どんに難しいお顔でまた言いました。
「だからね」
「いいのかい?」
「作ろうとは思わないけれど」
「いや、何でもはじめてみないとじゃないか」
狐どんはスモークサーモンを作ることについてはどうかと言うダッチェスに対して言うのでした。
「だからね」
「作ってみたらというのかな」
「そうしたらどうかな」
「ううん、それじゃあ市場に行って鮭を買って」
「そうしてだよ」
「鮭も燻製にしてみればいいんだね」
「そうしたらどうかな、美味いよ」
狐どんはダッチェスに笑ってこうも言いました。
「その美味しさを知っているのならね」
「ううん、確かにスモークサーモンは美味しいしね」
「じゃあ決まりだね、はじめてならチャレンジということで」
「作ってみるんだね」
「そうすればいいよ」
「わかったよ、作ってみるよ」
ダッチェスは狐どんの説得に頷いてでした、そのうえで。
市場に行ってそうして鮭を買って燻製にしやすい様に捌いてからいぶしてある木々の上に吊るして煙で燻製にしていきます、そしてでした。
他のソーセージやハム、ベーコンといったものと一緒に保存してです。程よい頃になってスモークサーモンを作ってくれた狐どんにです。
声をかけてお家に来てもらいました、そうしてお酒だけでなく自分が作った
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