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生ける大地の上で 
第2話 たとえ、蛮勇だとしても
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私に逃げ場がない。


 キャアッキャアッ!
 ギャアッギャアッ!
 キャアッキャアッ!
 ギャアッギャアッ!
 ゴアッゴアッ!!

 「や、やだ・・・!」

 怖い恐い死にたくない。だって誓ったんだ。今度は私がお母さんを守るって。
 なのにこんなところで――――。

 「こ、殺されてたまるかっ」

 目的のギィギを殺すために持ってきた果物ナイフを懐から取り出した。
 こんなナイフで何所までできるか分からないけど、無抵抗のまま嬲られる気は無いと覚悟を決めた所でリーダーとおぼしき大きいのが私に跳びかかってきた瞬間に。

 「きゃっ」

 目の前で豪風に似て非なる何かが発生して、大型を吹き飛ばした。
 ――――否。

 グゥルルルルッ・・・!

 現れたのはさらなる絶望。先ほどの大型や帆波を追いかけまわして来たの等比べものにもならない凶暴。
 色は薄茶色で顔とあごは凶暴極まり、四肢についている足はいとも容易く得物を絶命させてしまうだろう凶悪さを物語っている。特に前脚は後ろ脚以上に発達しており這うには十分の速度を期待できるモノだろう。
 その前脚に容赦なく押し当てられている大型モンスターは、弱弱しくも反撃をしようとするも。

 ガブリッ!

 その顔ごと無慈悲に齧り付いて噛みちぎる。

 「ひっ!」

 帆波は反射的に目を逸らした。まだ殺し殺される覚悟も定まってない少女には酷な光景だったことだろう。

 キャアッキャアッ!
 ギャアッギャアッ!

 そこに小型の数匹達が果敢にも跳びかかった。狩りを邪魔された怒りからか、自分達の仲間を殺された怒りからかは分からないが。
 だがしかし。

 ブンッ。

 すぐさま背後から跳びかかって来る雑魚に気付いたからか、振り返って強靭な前足で悉くを空中で切り裂いた。跳びかかって行ったのは当然すべて絶命。
 必然的に今この場に残ったのは帆波と、この轟竜だけとなった。
 勿論目が合ってしまう。

 グルルルルッ・・・!

 「ひっ!」

 反射的に帆波は駆けだして逃げ出した。幸い、彼女の駆けだした先は雪が積もっておらずに足を取られる事なく逃げることが出来る。

 ゴアアアアアアアッッ!!!

 だがしかし、そんなものはこの轟竜から逃走する上ではたいして慰めになるものではない。
 飛竜種の中での走行速度はトップクラスであり、何よりもあの原始的な恐怖を沸かせる様な厳つい頭部が死の予感を際限なく煽って来るのだから。

 「あっ、はっ、あっ、はっ」

 何度か後ろを振り返る度に明らかに距離の間隔が短くなってくる。限界まで来てこのままでは轢かれると考えた帆波は渾身の力で横に跳んだ。

 「あうっ!?」

 帆波は
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