「少しお話ししませんか?」
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なことにガーネットは《ホルンカ》に現れたが、グウェンが謝るための心の準備をしている間にガーネットたちは森へ移動し、しかも《胚種》を違うプレイヤーに投げ込まれる事態になってしまって。どうにか助けようとルクスは安全地帯を見つけ、グウェンは《胚種》を投げ込んだプレイヤーを麻痺させた上で《リトルネペント》の巣に投げ込んでいて、今に至る。
「それは、失礼しました。グウェンも『いいひと』です」
「……ふん。見る目あるじゃない」
「じゃあガーネット。よかったらこのクエスト、私たちにも手伝わせてもらっていいかな?」
「……うん、頼むわ!」
プレミアの拍手に気をよくするグウェンをよそに。パーティにルクスとグウェンを加え、《リトルネペント》たちを引き寄せる《胚種》を投げ込む愉快犯プレイヤーもいない今、先程までの苦戦は特になく。ガーネットの残念なリアルラックによって多少の時間はかかったものの、無事に《リトルネペントの胚種》を入手することに成功する。
「なあ、プレミアさん。ユイさん。ありがとな」
「はい?」
そうして《ホルンカ》の町に戻るとともに、《リトルネペントの胚種》を渡して。民家に全員は入れないと、途中参加のルクスとグウェンは外で待ってもらっている。そうして民家にいた女将が胚種で薬を煎じているのを見ながら、ガーネットは照れくさそうにそう呟いた。
「二人のおかげでグウェンとも仲直り……いや、このゲームを続けようって気になったからよ」
「ゲーム……いえ。では、ガーネットもこの世界が好きになりましたか?」
「おう! おかげさまで大好きだ!」
プレミア本人もすっかり忘れていたけれど、そもそもこうしてクエストに出たのは、ガーネットにこの世界のことを好きになってもらいたかったから、ということを思い出して。誇らしげに魔法使いの杖を撫でるガーネットの姿からは、もはやその言葉が嘘という可能性すら浮かばない。
「それなら、よかったです。嬉しいです」
「今度はもっとスゴイ魔法とか覚えてくるからさ。またクエスト行こうな!」
自分の働きで、この世界を好きになってくれた人がいる。それはショウキたちがプレミアにしてくれたことであり、プレミアの心はとても温かくなって。
――それと同時に、非常に寂しくなった。
「…………」
……そうしてガーネットたちと別れて、ユイもキリトに呼ばれたといなくなり、プレミアは自分の部屋へと戻ってきていた。初めて得た自分の部屋は、つい昨日までは何もない殺風景な部屋だったものの。今は、部屋に何もないことを気にしていると知られてから、様々なものをプレゼントされて飾りたてられていた。
もはや空っぽの部屋などとは口が割けても言えないものとなっており、共に冒険し
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