「少しお話ししませんか?」
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クスは困ったような表情で。
「まあそうなんだけど……私というか……」
「ルクスー! そっちはどうー?」
あはは、とどうしたものかとルクスが笑っている間に、洞穴へ新たな闖入者が飛翔してきていた。金髪のツインテールを揺らした露出度の高い改造和服を着た、ルクスと同じシルフのようだったが、その体格はずいぶんと小さい。
「こっちは大丈夫だったよ、グウェン。そっちは?」
「大丈夫大丈夫、麻痺させてネペントの巣穴に放り込んでやったわよ! ……っと」
グウェン――と呼ばれたシルフもまた、洞穴の中に着地するとともに、ガーネットから顔を背けていた。こっちが仲違いした友達らしいとユイは察することが出来て、ルクスとともにはらはらとその成り行きを見守ると、グウェンがわざとらしく咳払いを繰り返して。
「ゴホン、ごほんごほん、あー、えっと……ガーネット。その……ごめんなさい」
「え?」
「まだ初心者なのに無理やり連れ回しちゃって、えーっと……悪かったわね、って言ってるのよ!」
「いやいや、悪いのは連れてって貰ってたのにヘソ曲げたアタシだから! うん、ごめんな……ごめんなさい!」
「はぁ? あたしが悪いって言ってやってんでしょ!?」
しかしてグウェンが口火を切った謝罪合戦は、そのままどちらが悪いかを競いあう決戦に変わっていき、見物していたルクスはほっと胸を撫で下ろした。そんないかに自分が悪いかを叫びあうという理解できない惨事に、プレミアは首を捻りながらとことこと近づいていく。
「よくわからないのですが、『仲直り』ということでいいのですか?」
「……なによ、このチビッ子」
「む。『ちびっこ』ではありません。プレミアです。それに背丈はあまり変わりません」
「は? はー? あたしの方が大きい……けど? よしんばあんまり変わらなくても、これは小さいアバターだから!」
普段から使っているアバターではなく、ルクスのようにSAOのデータを使ったアバターでも遊びたいと、ルクスに付き合ってもらって鍛えていた――などというグウェンの事情など、もちろんプレミアが知るよしもなく。
「ぐ、グウェン……落ちついて……」
「そういえば、ルクスさんたちはどうしてここに?」
そんな謝罪合戦は、乱入者によって似たような体格どうしの戦いになりかけて、慌ててルクスが止めに入って。さらに話を流そうとユイが別の話題を振ると、計算通りにグウェンが胸を張って。
「ま、通りすがりの正義の味方ってやつ――」
「ガーネットがこのクエストを一人でやると言っていたからね。仲直りしよう、ってずっと待ってたんだ」
「ルクス!!」
グウェンが何やら言おうとする前に、ルクスが端的に事実を説明する。幸い
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