第四章
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ゆきよは菊菜のひたし、やはり母が作った料理を食べた。イタリア料理と和食が共にあるがこの家では普通なので何も思わなかった。後は仕事のことを振り返りつつ風呂に入ってすっきりすることを考えていた。
娘と話をした次の日だった、裕香は母の雅子にゆきよが言ったことを話した。すると雅子はこう言った。
「ああ、代々ね」
「そうじゃないかって言ってたわ」
「それはあるわね」
「そうよね、普通にね」
「言われてみればそうだね」
雅子も言われて納得した。
「そういえば」
「そうでしょ、だから銭形平次はね」
「江戸時代の最初の人は初代さんで」
「後期の人は何代目か後の人だったのよ」
「成程ね」
「それでみたいよ。まあ小説の話だけれど」
原作を基準とした言葉だった。
「まあそれはね」
「現実として考えたらね」
「そうなるわね、それでこれでね」
「どうしてかわかったね」
「ええ。銭形平次は実は岡っ引きが家業でね」
このことは考えてみれば作品の設定にしっかりとある。
「時代が変わってもなのよ。奥さんや子分さん達の名前はたまたま同じで」
「お静さんとか八は」
「そうだってね」
「簡単に謎が解けたね」
「ゆきよあっさりと言ったわよ」
「あっさりとかい?」
「そう、本当にね」
昨日娘が自分の料理を食べてつつ話したのをそのまま話した。
「代々じゃないかって」
「それで終わりなのね」
「そう、本当にね」
「これで納得がいったけれど」
「何か夢がないって言ったらないわね」
「代々だとね」
まさにとだ、二人で話してだった。
そうしてだ、母と娘でまた銭形平次を観た、腕っききの岡っ引きの推理と銭はまた存分に冴えていた。
一体何歳なのか 完
2018・8・8
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