十八 等価交換
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忍びであるヒナタ、それに砂隠れの忍びであるテマリと対峙していたデイダラは、ひらひらとたなびく袖を鬱陶しげに見下ろした。
デイダラが攫った風影の姉であるテマリ。
彼女の猛攻は凄まじく、蝶の爆弾でなんとか防御しているものの、時間の問題だ。
蝶の群れを操っていたデイダラは、ふとテマリとヒナタの背後へ視線を向ける。
にやり、と口角を吊り上げたデイダラは、蝶の一匹を人知れず、ソイツの傍へ向かわせる。
同時に、自分達の傍へ近寄る怪しい人影を【白眼】で視たヒナタが、ハッ、と後ろを振り返った。
「…テマリさん、危ない…!!」
ヒナタの呼びかけで、テマリは咄嗟に身を捩った。刹那、飛んできたクナイが、テマリの武器である扇を傷つける。
扇を掲げて身構えたテマリは、背後から現れた相手の姿を見た瞬間、愕然とした。
「お、お前は……」
砂隠れの里の上役であり、警備部隊の隊長。
周囲からの信頼も厚い上忍だったが、『暁』であるデイダラとサソリの襲撃以来、行方知れずだった。
死体が見つからないから、生存を望んでいたが、まさかこんな場所で会えるとは。
「無事だったのか!よかった…!」
同じ里忍である彼にテマリは親しげに声をかける。テマリの様子から敵ではないと判断したヒナタも警戒心を緩んだ。
「気をつけろ、アイツが砂隠れの里を襲撃した『暁』の──」
「存じてますよ」
警戒を促すテマリの言葉を遮る。
瞬間、ヒナタとテマリ目掛け、数多のクナイが襲い掛かった。
「な…!」
攻撃を仕掛けてきた同じ里の仲間であるはずの砂忍を、信じられないとばかりにテマリは眼を大きく見開いた。
【潜脳操砂の術】によって記憶を消されていた、『暁』のサソリの配下──由良。
「足止めにはうってつけだな、うん」
風影である我愛羅を攫う為に重大な任を担った相手。
彼の手引きで、砂隠れの里にサソリと共に、秘密裏に忍び込む事が出来たデイダラは、狼狽する二人のくノ一を愉快げに眺めながら、口角をくっと吊り上げた。
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