十八 等価交換
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。
それは、まるで今日の天気の事でも話すかのような、軽い物言いだった。
「それから、砂隠れの里で起きた毒ガスの件は安心しろ。数日で身体から自然に毒気は抜ける」
サソリが砂隠れの里に仕掛けたトラップ。
起爆札の爆風に雑じった毒で、砂忍を痺れさせ、追っ手の可能性を減らしたサソリの罠の盲点を、ナルトはあっさり暴露する。
吸い込めばたちまち、全身が麻痺するが、その毒は何も治療しなくとも、数日後には次第に抜けてゆくのだ。
しれっとその事実を明らかにするナルトに、ほっと安堵するいのに反して、サソリは眉間に皺を寄せた。
「坊、てめぇはまた勝手に…!」
もはや、何故知っているか、という疑問を抱く事すらせずに怒るサソリに、ナルトは聊か冷ややかな視線を向けた。
「傀儡人形にしたいからって俺に毒を盛ったのはお前だろう、サソリ」
隙を見ては、モットーである『永久の美』に似合う人傀儡にする為に、幾度となくサソリはナルトに毒を盛っている。
「その意趣返しだ」と答えるナルトに、サソリは「よく言うぜ。平然としてただろうが」と肩を竦めた。
どれだけ強力な毒を盛っても、何事もなかったかのように振舞っていたナルトに呆れつつ、(自分の毒を何度も浴びている坊なら毒ガス成分も即座に把握できるだろうな)と納得したのだった。
「東へ行け。森の奥に、お前達と行動を共にしていた木ノ葉の忍び達がいる」
「ナルとカカシ先生のこと?どうして…」
毒ガスに加え、ナルトからの更なる情報に、いのは戸惑いを隠せなかった。
こちらに対して、有意義な情報ばかりを告げてくるナルトを不審に思いつつ、何故、知っているのか、と眉を顰める。
まるでこちらの動きを全て見透かしているかのような。
そこで、いのはハッと顔を険しくさせた。
「アンタ…!ナルになにかしたんじゃないでしょうね…!!??」
「まさか、」
いのの激昂に、ナルトは口許に苦笑を湛える。
ナルとカカシの居場所を知っているという事は、彼女と彼に何かしたのでは、と訝しむいのの鋭い視線を、ナルトは受け流した。
フードの陰で、儚い笑みを薄く浮かべる。
(──大事な妹だからな)
毒ガスのことも、ナルの居場所も伝えたナルトに、サソリは顔を不機嫌に歪める。
「ちと、サービスが良すぎねぇか」
サソリの文句に、ナルトは涼しげに、手の中のものを弄んだ。
「情報料を頂いたからな」
いつの間にか、二本の巻き物を手の中で軽く弄んでいるナル
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