いぎょう
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でも使えるかは…。
やるだけやってみますか」
ベルが己の内側に呼び掛ける。
『ティオネさんに貸すのを許してくれるかい?』
回答は、是だった。
「ムマ」
土の斧が現れた。
ベルが、そのハートの斧をティオネに差し出す。
「切れ味は保証します」
「わかってるわよ……」
ティオネがムマを構えた。
「デュランダル」
ベルも黒い大剣を背負う。
「行くわよっ!」
「行きますっ!」
駆け出した二人に触手が殺到する。
それらを弾き、斬り、潰し、身を守る。
「ねぇっ! さっきから切ってるこれ意味あると思う?」
「多分ないですねっ! 僕が突っ込みます!
ヴァリツァイフ!」
ベルは得物を大剣から鞭へと変更した。
「メルニテっ!」
鞭が形を変え、角ばった片刃のフランベルジュになる。
一際太い触手が、駆け出したベルに向かう。
その触手を避けた後に、ベルは剣と化したヴァリツァイフを突き立てた。
「ノーテ・ルビード!」
剣から雷が走る。
それは触手を導線にし、本体まで到達。
魔石をこなごなに粉砕した。
「ベル! 油断するなっ!」
「はいっ!」
残った花は二つだ。
「バルグレン!」
雷の大剣が焔の双剣へ。
「フランロート!」
双剣から金と紅の焔が溢れ、ベルを覆う。
「うぅぅぉぉおおおおぁぁあああああ!!!」
雄叫びを上げたベルの一撃が、花に突き刺さった。
「燃えろ! 灰になるまでっ!」
ボッ! と刺した傷口から焔が洩れる。
花は茎をしならせ、悶え、苦しむ。
ガラスを引っ掻いたような、獣の遠吠えのような、そんな断末魔を放ち、花がその動きを止めた。
「っ……はぁ…はぁ…」
そこで、ドスッという音がした。
「………ぅあ」
バルグレンを灰に突き立てたベルの腹が、後ろから貫かれた。
「ベルっ!?」
ごぷっとベルの口から血がこぼれる。
ベルが下を見ると、腹から触手がはえていた。
ぐっと触手がベルを持ち上げる。
持ち上げられらベルは、触手の一振りで投げられた。
「もう、大丈夫だよ。ベル」
だが、ベルは地に落ちる事も、建物に叩きつけられる事も無かった。
何故なら、その身を受け止めた者が居たからだ。
アイズは空中でベルを抱き止め、後退する。
アイズが降り立った屋根、その隣にベートが着地する。
「ベート。ベルをお願い」
「おう」
ベルをベートに預けたアイズは、その瞳に怒りの焔を灯し、剣を抜いた。
「ユルサナイ」
黄金の剣が、抜かれた。
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