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初めて観たアダルトビデオについて
あくまでも演技。モザイクは不要。

前書き

初めて観たアダルトビデオ──

ソフトだった。

脱ぐアイドル──ヌードルというカテゴリーがあり、主演の牧本千幸はその先駆けだった。

「5回もキスしたよ……おっぱいだって、触られたよ」

女子高生の千幸は、彼との体験はこれだけであると、一人きりの部屋でぬいぐるみに告白している。

おっぱい、を本当に恥ずかしそうに発音する。

自分の言葉に刺激されたかのように、この直後、乳房を鏡に映してみるのだ。一糸まとわぬ姿で──

美しい裸身。

お尻はレンズが、乳房は鏡が見せ、余すところなく鑑賞できる美少女ヌード。

アダルトビデオは本当に「裸にする」のだと感動したものだった。


やがて訪れた、初体験の日。

裸になってはいるが、嬉しそうではない。
すでに義務感さえあるように愛撫を受ける。
声もあげない。

腰にバスタオルをかけて、ベッドに横たわる裸の美少女。
乳房を刺激されているが、裸にされた恥ずかしさのほうが勝つらしい。
表情が硬い。

彼がのしかかり、美少女の顔が歪む──バスタオルの下で、いつ挿入されたのかもわからなかった。

裸で恥ずかしい──それで終わった、短いカラミだった。


終わったあと、眠る恋人の横でスリップで裸身を隠した美少女は、
セックスには人類が存続するための必須行為と認めながら、恋人がいる限り、自分にも義務があることを負担に感じる。

アダルトビデオとしては、かなり異例な後味だったが、
なにしろ一本目。その辺りはよくわからなかった。


実は、後日談がある。

彼女は、熟女として芸名を変えてアダルトに返り咲く。
その時、テレビに出てインタビューに答え、
「パンツを穿いていた」と明かした。
あくまでも演技だから、全裸になるまでもなかったともとれる、不遜なコメントだった。

絞りだしたような「おっぱい」のコメントも、鏡の前の勇気のフルヌードも、すべて演技だったのか。

弁護するとすれば、
2作目はフルだった。

処女のまま、ソフトなAVに起用されて裸をさらしたあとで、リアル恋人と初体験をするストーリー。

美しいバストを責められたら、あえぎ声をあげる。

体勢が変わり、組み敷かれていた彼女が上になると、かわいいお尻に目を奪われた。
今度はバスタオルなし。全裸だ。

アダルトビデオはバーチャルで、この初体験はリアル。
だから、パンツまで脱がなければ違いがわからない。

幸せを確かめるための行為を全身で受け止めていた。
──────────

前書き


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