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ダン梨・F
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で近・中距離を担当していること。現在のヘスティア・ファミリアの頭脳であること。そしてベルと一緒にミノタウロスを討伐してレベル2に至り、二つ名は『運命の車輪(ルー・デ・フォルトゥン)』であること。自らの主神が作った不思議で興味深い武器を使っていること。
 そしてフリーダムな人物であるということ。

 ヴェルフはてっきり派手好きの目立ちたがり屋かと若干の不安を覚えていたが、実際に会ってみるとそんなことはなく、自然体で笑う少年だった。

 ヴェルフはこの笑顔を見たことがある。自分の作品を見て「次に来たら買うよ」と言ったのちに二度と来なかった連中の笑顔だ。張り付いた笑み、心から笑ってはいないビジネスライク。ヴェルフに関心がそれほどないのだと思った。不信感を隠さないリリスケの方が可愛げがある。

 邪険には扱われない。代わりにこちらの心に踏み入る気も感じられない、冷たい奴。しかしベルとの短いやり取りやアイコンタクトからはその印象からは想像もつかない信頼関係が見え隠れしている。

 抱いた印象は、大人としてみれば普通。

 親しい者と親しくし、親しくもない者とは無理に親しくしようとしない。とても、普通の対応だ。少々お人よしのベルと違い、極めてフラットな精神で冒険をしている。魔物処理の指示もバミューダが取っているが、ヴェルフの戦いを数度見てからは驚くほどいいタイミングで指示を飛ばすようになった辺り、ファミリアの頭脳は伊達ではないようだ。

 しかし、年齢より幼く見えるベルと、年齢以上に大人びた対応をするこの二人が同じ環境で育まれたというのだから不思議なものだ。ともかくヴェルフにとって彼は、割と普通の人にしか見えなかった。

「………なんというか、聞いてたより全然普通だな、お前」
「え?俺になんか変な噂でも?」
「フリーダムで人をおちょくりまくるとか、ノリでとんでもないことをしているようで悪代官ばりの壮大な悪巧みをしてるとか色々だ」
「俺の悪評を流すヤツ。一体何ル・クラネルと何ルカ・アーデなんだ……」

 リリスケはあさっての方を向き口笛を吹き、ベルは満面の笑みで「誰なんだろうね!」と開き直ったとしか思えない態度でしらばっくれる。やっと彼のフリーダムな部分の一端が垣間見えた。二人のノリのいいリアクションからして、ヴェルフのいないところではナイスジョークを飛ばしまくっているようだ。
 そんな二人に若干苦笑しながら、バミューダはこちらを見る。

「ベルとは気が知れた仲だからおちょくったりするけど、ダンジョン内であんまフザケすぎると死ぬからな。真面目にやるさ。それに悪だくみっつったって、後でファミリアが得する話を考えてるだけだし。俺程度の悪知恵、他のファミリアだって多かれ少なかれ働かせてるもんだ」
「そういうもんか」
「本当はウ
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