すくもの
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んだぁ〜。
ふふん。いいでしょー。私はこれから兎君としっぽりスルんだから!」
「ほう? 何をするんだ?」
「なにってそりゃもちろんナニよ」
ティオナが親指を人差し指と中指の間に入れ、卑猥なサインを作る。
「「「「…………………………」」」」
「ゅ?」
「「!?」」
ヒュリテ姉妹がハッと振り向く。
「私のベルと、一体ナニをスルって?」
そこには鬼の表情を浮かべたリヴェリアが立っていた。
「ベート、ティオネ、ベルを食堂に連れていけ。
ティオナ。ちょっとこっちに来い」
ティオネは妹からベルを奪い取り、ベートと一緒に食堂へ駆け込んだ。
ティオナがいったいどうなったかは…語る必要はあるまい。
ひみゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
「ふぇ!?」
黄昏の館に響き渡ったティオナの悲鳴で、ベルの意識は覚醒した。
「…………ぅゆ? 食堂?」
ベルがキョロキョロと左右を見渡すと食堂で、目の前にはプレートが置かれている。
「なんだ、やっと起きたのか」
「あれ? ベートさん、なんで僕食堂に居るんですか?」
こてん、とベルが首を傾げる。
「お前の部屋に起こしに行ったら寝ぼけたままここまで歩いて来たんだよ」
「そうなんですか?」
「そうよ」
ベートの反対側、ベルの左から肯定の声が聞こえた。
「あ、おはようですティオネさん……あれ?ティオナさんは?」
「ああ、気にするなベル」
とベートが言った。
「でもいつもティオネさんと一緒に…」
「「気にするな」」
「あっはい」
と、そこでベルの正面にアイズが座る。
「おはよう、ベル」
「おはようございますアイズさん」
ベルは口元をかくし、欠伸をする。
「ベル、眠いの?」
「はい…昨日は遅くまでリヴェリアさんに渡すテキストを書いていたので…」
「テキスト? リヴェリアの宿題?」
アイズの問への返答は否だった。
「いえ、リヴェリアさんが読むテキストです。僕の前世の知識を書いてる物です」
「ふぅーん………まるでリヴェリアが生徒みたいね」
「リヴェリアさんが冗談めかして言ってましたよ」
「へぇ…リヴェリアがねぇ…」
とティオネが一人ごちる。
「私がどうかしたか?」
「あー、リヴェリアさんおはようございます」
「おはようベル」
リヴェリアに頭をわしゃわしゃと撫でられるとベルは気持ち良さそうに目を細めた。
「んゆぅ♪」
リヴェリアがベルの髪を手櫛で透く。
「ベル、食事が終わったら私の部屋に来い」
「はい、わかりました」
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