1st season
10th night
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
グレーラビットがNSX−Rに乗り換えてから数日。「ゴシップハンター」が経営する「Garage Carcass」には、C2エリアで撃墜されたという報告が相次いでいた。今日もまた、店舗の喫煙ブースにて、昨夜の内に遭遇したドライバー達の報告会が行われている。それを少し離れた位置で聞いているのは、店長と一人の青年であった。
「ふぅん、またエラく飛ばしてる奴も出てきたもんだねぇ」
「NSX相手じゃ、エリーゼじゃ勝てないですかね?」
「銀座から湾岸合流までのエリアでブッちぎれるなら挑んでみたらいいんじゃないか?」
「無理ですわー。イキッてたらいつの間にやらR4Aに負けたって噂になった、あのアメ車集団も食われたんでしょ?」
「リーダーは廃車でしばらく再起不能だから、残ったメンバーらしいけどな。湾岸合流で置いていかれたって話だから、パワー至上主義のアイツらからしたらプライドズッタズタだろうねぇ」
店長はニヤニヤしながら、彼自ら面倒を見ている青年に話す。
「アレとC1で戦えたとしたら、お前さん勝てる自信あるかい?」
「ジリ貧になった上で何かが起こればってイメージしか沸きませんけどねぇ」
「多分、あのZZTセリカなら勝つぞ」
「マジですか?」
「じゃなかったら、C1最速なんて名乗れねぇよ。まだまだ修行不足だね、お前さんも」
「……そういや、あのエボインプの二人組、まだ決着付けてないんですよねぇ」
「おいおい、そこからじゃねぇか」
ボヤく青年の背中を、ゲラゲラ笑いながら叩く店長であった。
走り始める連中が準備をしたりと蠢く20時頃。都内某所の駐車場で、いかにも金のなさそうな服装をした3人の男たちが、缶コーヒー片手に集まっていた。
「なぁ、聞いたか。黒いNSXの噂」
「ああ。手当たり次第に吹っ掛けちゃあ、煽りに煽り倒してぶっちぎっていくって話だろ?」
「奴と戦って事故った奴こそいねぇが、勝った奴もいねぇって話だ。今湾岸合流からレイブリのエリアで暴れまわってるらしいぜ」
ため息をつきながらうなだれる3人組。そこにコンビニ戻りだろうか、ビニール袋を提げたとある青年が、その三人組に声をかけた。
「その話、もう少し詳しく聞いてもいいか?」
三人組は、突然現れた青年に面食らいながらも返す。
「いや、俺らにも大したことはわからねぇよ。会ったことがあるわけじゃねぇし」
「知る限りでいい。会ってみたくてね」
「挑むつもりか?やめといた方が……」
「それを決めるのは俺であってアンタラじゃあない。それとも、本当に何も知らないのか?」
「あぁ、噂以上のモンは知らないよ」
「……失礼、邪魔したな」
そのまま青年は立ち去り、愛車へと向かっていった。
「なんだったんだ?今の……」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ