第二章
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「名将ですから」
「ノムさんはそうでもフロントはどうだよ」
「フロントですか」
「スターリン並だろ、粛清はしないけれどな」
あまりにも酷い戦略、戦術と無茶な命令及び粛清人事によってドイツ軍最高の将軍と呼ばれていた。
「あのフロントじゃな」
「パグラチオンはスターリンが命じましたよ」
「アメリカからの援助ないと負けてただろ」
実際ソ連軍はドイツ軍に相当やられた。
「だからだよ」
「阪神もですか」
「そうなるかよ」
大攻勢には転じられないというのだ。
「アメリカ軍の援助ないだろ」
「助っ人いますよ」
「スカばかりじゃねえか」
その助っ人達はというのだ。
「ピッチャーは成功してるけれどな」
「ピッチャーいいですよね」
「ああ、阪神は生え抜きもトレードも助っ人もな」
幾ら最下位でもどんなチームにも長所はある、阪神は伝統的に投手陣はよくこの時代でもそうであったのだ。
「いいな、けれどな」
「バッターは、ですか」
「オープン戦は打ってな」
この時は大抵打って期待させた。
「それがな」
「ペナントがはじまると」
「打てなくなるだろ、バースいないと駄目なんだよ」
この時代特に言われた言葉だ。
「けれどそのバースに阪神何したよ」
「解雇しました」
「子供さんのことでアメリカに帰っていてな」
「あれは何ていいますか」
「クビにするべきじゃなかったな」
「そうですよね」
「息子さんが大変だったんだぞ」
水頭症だった、息子を愛するバースは彼の傍にいることを選んだのだ。
「それならな」
「仕方なかったですよね、バースも」
「ああ、そのバースを首にしたんだ」
「間違いでしたね」
「そんなフロントだからな」
牧場は顔は笑っていたが目は真剣だった、事実を語っているから自然とそうなっているのだ。
「駄目だよ」
「まずはフロントですか」
「そうだよ、あそこを何とかしないとな」
これが牧場の意見だった、だが中西はまだ言い。
艦を降りて厚木に行く二日前も牧場と会って阪神の話になったので言った。
「猛虎の咆哮が日本に轟きますよ!」
「俺にはゴキブリがのたうち回ってる様にしか見えねえよ」
笑って応えた牧場だった。
「そうしかな」
「ゴキブリって」
「そうだろ、弱いからな」
「弱いとゴキブリですか」
猫ですらなかった。
「それは酷いですよ」
「酷いかよ、ここ関東だぞ」
阪神の本拠地は関西で関西にファンが一番多い。
「だったらな」
「阪神がですか」
「そうだよ、阪神が優勝するとか言ってもな」
それこそというのだ。
「こう言われるに決まってるだろ」
「ゴキブリですか」
「それがのたうち回ってるんだよ」
それが今の阪神だというのだ。
「死にかけて
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