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言うことは何でも
第四章

[8]前話
「そしてだよ」
「いい店にですか」
「どっちも連れて行ってやるからな」
 風俗も美味い店もというのだ。
「楽しみにしてろ」
「それじゃあ」
「そんなことは絶対にないからな」
「阪神の日本一は」
「どうあるんだよ」
「そうですよね」
 笹木も河邑と同意だった。
「阪神が」
「三年連続最下位だぞ」
「いやいや、この調子でいけば」
「いく筈ないだろ」
「どうしてそうなるんだよ」
 二人で中西に突っ込みを入れた。
「絶対にあるか」
「ある筈ないだろ」
「今年も最下位だよ」
「万年最下位だよ」
「その言葉忘れたら困るな」
 中西だけは余裕の笑みだった。
「冬は絶対に終わるしね」
「あと十年は終わらないんじゃねえか?」
 笹木は真剣にこう思っていた。
「二十年かも知れねえな」
「それ位はかかるな」
 河邑も笹木の言葉に頷く。
「あそこまで弱いとどうしようもねえ」
「打線打たないですよね」
「エラーも多いしな」
「そこを何とか変わって」
 あくまで強気の中西だった。
「今年優勝、日本一になって」
「無理に決まってるだろ」
「三年で優勝出来ても驚くぞ」
 二人は下総に行く彼に行ってそれぞれの任地に向かった。二人はそれぞれ十月にやっぱりなと思った、だがそれからさらに二年後中西が携帯に笑顔で言ってきたことにはよかったなと言った。奇跡の優勝に対しては。


言うことを何でも   完


                 2018・11・20
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